プレイ・ザ・ゲーム
「Bブロック2回戦――! 素敵な恋を探して。チーム・シーサイドランデブー!!」
4年マーキュリアス・クイーンとその装騎ラプソディ。
3年アストリフィア・サツキとその装騎サーティーナイン。
2年ナイト・テイラーとその装騎スウィートレディ。
1年ディーコン・ジャンヌとその装騎ベストフレンド。
「対するは、追風一杯、順風満帆! チーム・ブローウィング!!」
4年ワシミヤ・ツバサとその装騎スーパーセル。
3年テレシコワ・チャイカとその装騎スネグーラチカ。
2年カスアリウス・マッハとその装騎チリペッパー。
1年サエズリ・スズメとその装騎スパロー。
「圧倒的な力を見せつけたチーム・シーサイドランデブーに、1年サエズリ・スズメちゃんが華麗な活躍を見せたブローウィング! 勝敗はどちらに!? それでは、Bブロック3回戦――――開始!!」
「かっ飛ばすんですよォ!!」
開幕早々、例によってカスアリウス・マッハの装騎チリペッパーが駆け出す。
「行くぞ――GO! ブローウィングGO!!」
「諒解!!」
チリペッパーに続くようにスーパーセル、スネグーラチカ、スパローが駆ける。
「チャイカ――!」
「ええっ」
チャイカが意識を集中させる。
チャイカの魔力がフィールドに広がっていく。
「この近くには――居ませんわね」
「サーティーナインがトラップを仕掛けているんだろうな……」
「間違いないでしょうね……」
「チャイカ、そろそろシーサイドランデブーのスタート地点だ――ショットマシンガンの準備はしとけよ」
「アイアイマムなんですよ!」
チリペッパーが5mmショットマシンガンを構える。
それからしばらく――チリペッパーがシーサイドランデブーがスタートしたと思われる地点を射程に収める。
「マッハちゃん、撃てぇ!!」
「アイマム!!」
タタタタタタタタ
チリペッパーの持つ5mmショットマシンガンが火を噴く。
銃口から最軽量の拳銃弾が文字通りばら撒かれた。
その弾丸は1つとしてまともに直進する物は無く、上下左右にぶれる様な弾丸が放たれる。
その刹那――
ドグォォォオオオオン!!!!
チリペッパーの行く手に盛大な爆発音が鳴り響いた。
「やっぱり仕掛けてやがったのか!!」
先に設置されていたサーティーナインの爆弾。
それがショットマシンガンの弾丸を受けて起動――爆発したのだ。
「なるほど……マッハ先輩が先行するのが避けられないんだったら――」
「ああ、装弾数多い銃でも持たせて、爆弾処理役になってくれればと思ってな」
チリペッパーが駆け抜ける先で悉く爆弾が爆発し、爆炎を上げていく。
「見つけましたわ――このまま10時の方向に2騎、2時の方向に2騎――ですわ!」
「2手に分かれてるのか――」
「恐らく、10時の方向にいるのがスウィートレディ、ベストフレンド。2時の方向にいるのがラプソディ、サーティーナインですわね」
「――チャイカとスズメちゃんはスウィートレディとベストフレンドを、アタシとマッハちゃんで残りの2騎をやる」
「諒解!」
「行くぞっ!! マッハちゃん、右だ、右に行くぞ!!」
「ひゃっはぁぁあぁああああああああああ」
スパローとスネグーラチカが木々をかき分け、先に進む。
「前方で2騎が待ち構えるようにしていますわ――!」
「まだ相手のレーダーには捕捉されてませんよね?」
「ええ、恐らくは――」
「なら――チャイカ先輩は2騎の後ろから回り込むようにしてください! それまでなんとか凌ぎますから!」
「――――分かりましたわ」
スパローはそのままスウィートレディとベストフレンドへと駆け、スネグーラチカは相手のレーダー範囲ギリギリを迂回しながらスパローとの挟撃を狙う。
「見つけた――」
しばらく行くと、開けた地で待ち構えたスウィートレディとベストフレンドの姿があった。
「来たわね――」
「す、スパロー――1騎だけ?」
「レーダーにはあの1騎しか映ってないし――何考えてんだ? まぁ良いさ。ジャンヌは警戒と援護を頼むよ!」
「はは、はい……テイラー先輩、が、がんばってください!」
「ふふっ、1年だって容赦しないよ。さぁ、スパロー、サエズリ・スズメ。ゲームを始めよう!」




