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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
ステラソフィアの日常:サービス編
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激突! カノンVSスズメ

「ねぇ、こんな企画を思いついたんだけど」

ある日ムーンリット・カノンのマネージャーであるユヅの第一声で、今回の物語は幕を上げる。

「スズメちゃんとのエキシビションマッチ、ですか!?」

「ええ、やっぱりファンとしては1度は見てみたいでしょ? 前々から考えてたけど……」

「私は良いけど、スズメちゃんは大丈夫かな?」

「スズメちゃんに連絡してみるわ」

そして1月17日――――その日は年明け最初のカノンのライブが開かれる日。

その日のメインイベントとして、カノンVSスズメのエキシビションマッチが決定した。

「スズメちゃん、今日はよろしくね」

「はい、カノンさん!」

そんな試合の実況を務めるアナウンサーは有名な3つ子アナウンサーの1人イオナ。

「ムーンリット・カノンさん、サエズリ・スズメさん、この試合への意気込みをぜひ聞かせてください!」

「大好きなスズメちゃんとのバトル――――でも、勝利は譲らない!」

「カノンさんは本当に強い騎使です――――私も全力で行きます!」

「お互い1歩も譲る気のないヤラセ無し、本気の勝負です! それでは装騎アイドル、ムーンリット・カノンVSステラソフィアMVK、サエズリ・スズメのエキシビションマッチ――スタートです!」

今回のエキシビションマッチ、スズメはさすがに軍用騎の装騎スパローは使用できないので、市販されているハラリエル型装騎のスパローモデルを再調整した装騎スパローを使用している。

対するカノンの装騎は普段から使用しているアサリア型装騎ドルチェ。

互いに武装は得意武装と言うことで装騎スパローは超振動ナイフを二振り、装騎ドルチェはサブマシンガン61Kを二丁装備。

大勢の観客が見守る屋内アリーナで、装騎スパローと装騎ドルチェがぶつかった。

「サエズリ・スズメ、スパロー行きます!」

「カノン、スイッチ・オン!!」

まず、先手を打ったのは、カノンの装騎ドルチェ。

両手に構えたサブマシンガン61Kをクロスさせるように装騎スパローへと向ける。

刹那、その銃口から曳光弾まじりの華やかな射線が装騎スパローに向かって伸びた。

「早速ですか!」

装騎スパローは装騎ドルチェの銃撃を潜り抜けるように装騎ドルチェに向かって突っこんでいく。

そんな装騎スパローを追いかける銃弾の雨。

「この弾幕を突っ切ってこようとするなんて――さすがスズメちゃんっ」

そう言いながら右手の銃撃を止め、左手のサブマシンガン61Kを撃ちっぱなしにしながら装騎ドルチェも装騎スパローに向かって突っ込んだ。

「来たっ!?」

装騎スパローと装騎ドルチェが交差する直前、左手に持ったサブマシンガン61Kから銃撃が止む。

弾切れだ。

しかし、カノンはこのタイミングで弾が切れることを想定済み。

交差する瞬間に身を捻りながら、左手のサブマシンガン61Kのマガジンを捨て去る。

そして、大腿部から伸びた予備マガジンにサブマシンガン61Kを叩きつけるようにしてリロードしながら、さらに右手のまだ弾が残っているサブマシンガン61Kを装騎スパローへと撃ち放った。

「当たらないか……」

「うわっ、危なかった……っ」

だが、その攻撃は装騎スパローには届かない。

装騎スパローと装騎ドルチェの交差する瞬間、スズメもナイフを斬りつけながら一気にその場を離れるという戦法を狙っていた。

結果として装騎スパロー、装騎ドルチェ互いの攻撃は空振りとなった。

かくして、戦いは再び仕切り直しとなる。

「やっぱりカノンさんは強いです……ムーンサルト・ストライクでは揺さぶりにもならなさそうだし……どうしよう」

「射程はコッチの方が有利。けれど、手数が物足りないなぁ。スズメちゃん相手にどう戦えるか……」

沈黙する2騎。

「マンガで言うところの“先に動いた方が負ける”ってヤツですね」

「だけど、ここで動かないとそれこそ――」

「負けです!」

「負けねっ」

装騎スパロー、装騎ドルチェ――2騎の装騎が動き出した。

装騎ドルチェのサブマシンガン61Kの輝きが、装騎スパローの立っていた場所に刻み込まれる。

だが、すでに装騎スパローは宙の上……。

「ムーンサルト……ストライクっ」

装騎ドルチェの背後に降り立った装騎スパローのナイフが閃く。

そのナイフが装騎ドルチェを引き裂かんとした刹那、装騎ドルチェの体が地面に沈み込む。

装騎ドルチェは開脚し、装騎スパローのナイフを避けたのだ。

それと同時に装騎ドルチェが足蹴りを放ち、装騎スパローを転倒させた。

「これで――――」

つんのめる装騎スパローの背後へと装騎ドルチェはサブマシンガン61Kの銃口を向ける。

だが、装騎スパローも転んでもただでは起きない。

「スパロー・ブレードエッジ!!」

装騎スパローのブレードエッジが展開され、その右腕に蒼白い輝きが灯った。

その瞬間、装騎ドルチェのサブマシンガン61Kが発砲される。

サブマシンガン61Kの銃撃は装騎スパローの装甲を、ブレードエッジを打ち付けた。

装騎スパローにダメージが蓄積していく中、装騎ドルチェの斉射に一拍遅れ、装騎スパローのレイ・エッジが装騎ドルチェを貫く。

結果――――

「装騎ドルチェ、装騎スパロー両者ともに戦闘不能! この勝負――引き分けとします!!」



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