表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
ステラソフィアの日常:年末年始編
180/322

プリティーキュートな日常

「では第253回、チーム名改称会議を始めたいと思います」

チーム・プリティーキュート所属の3年生ツンベルギア・マイの声がプリティーキュートの寮室に響く。

リビングに用意されたちゃぶ台の周りにマイをはじめ、4年ハンフリィ・アイデンティ、2年フィゴウル・ミーシア、1年エスポワール・マインの姿もあった。

これはチーム名に抵抗を覚えてきた数代前の先輩達の代からチーム・プリティーキュート内で伝統的に行われるチーム名改称会議。

その名前通り、プリティーキュートと言うチーム名を改めるため、新たなチーム名を考えようという会議だ。

「正月早々ですが、そろそろ新しいチーム名の案もあると思います。……どうでしょう?」

「はいはいはーい!!」

最初に手を上げたのはマイン。

「はい、マインちゃんどうぞ」

声を張り上げ、両手を思い切り振りながらマインは言った。

「チーム・マインちゃんと愉快な仲間たち!!」

「おお、さっすがマイン! なんて素敵なチーム名なんだ!」

マインの口にしたチーム名案に、そう称賛の声を上げたのはミーシア。

しかし、

「却下です。個人名が入ってるのはダメです」

「問題はそこじゃないと思うけど~、そうよねぇ」

あっさり却下するマイに、その傍でうんうんとマイの言葉に同意しているアイデンティ。

「私はハンフリィ☆フリーダムってチーム名が良いと思うわ」

「……あの、アイ先輩、私の言ったことに同意してましたよね?」

「そうねぇ~」

「ハンフリィって個人名じゃないですか」

「名じゃないわよ。姓よ?」

「同じです!」

「同じか~」

失敗失敗――とでも言いたげに、アイデンティは舌を出しながら額を手で打つ。

そんな先輩の姿に、マイは「ハァ」とため息をついた。

「それじゃ、ハンフリーダムならどう? ハンフリィ・ダムじゃないわよ。ハン・フリーダムよ?」

「半フリーダムだとあんまりフリーな感じがしないので却下です」

「そっちか~」

「はいはいはーい! それじゃあ、オレが取って置きのチーム名を言ってやるゼイ!!」

「はい、ミーシャちゃん」

満を持して――と言う雰囲気も全くないが、ここだと思ったのか今まで相槌を打つだけだったミーシアが手を上げる。

マイの合図で、ミーシアは思いっきり息を吸うと、言った。

「チーム・サティスファクションだゼーイ!!」

「却下です」

「ミーシャせんぱーい。そんなんじゃ満足できないよ~」

「あらあら、素敵な名前だと思いましたけどねぇ~」

「ナンデダヨ! カッコイイじゃんサーティスファークション!! 何だよ何だよマイ先輩はサ! さっきから却下却下って!!」

「確かに確かに~ソレは思ったよマインも思ったよ~」

「マイ先輩もチーム名の案を何か上げろよ~!!」

「分かりました」

後輩2人からそう言われ、マイはメガネをクイと上げると静かに口を開く。

「私の考えているチーム名案――それは」

「それは?」

「チーム・シーザーです!!」

「シーザー……サラダかしら?」

「違いますよ!」

「ねー、アイせんぱ~い。お腹空いたー」

「確かになぁ~。オレもナニかタベたいゼイ!!」

「あらあら、それじゃあ何か食べに行きましょう」

「ちょっと、マインちゃん、ミーシャちゃん! アイ先輩!!」

突如として、転換する話の内容。

それについていけないのはマイただ1人だけ。

「そうと決まったら行きましょう。私はシーザーサラダが食べたいわぁ」

「マインはサンドイッチー!」

「オレはパフェが食べたいゼー!!」

「って本当に食べに行くんですか!?」

「当たり前じゃな~い」

「トーゼンなんだよ!」

「いっくぜー!!」

「マイちゃんは何が食べたい?」

完全に、外食ムードになっている3人。

そんな3人に、マイは言った。

「私は、ペペロンチーノで」

こんな感じで、“今回も”チーム名改称会議はうやむやのまま終わりを迎えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ