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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
ステラソフィアの日常:ドタバタ編
172/322

ステラソフィア☆マラー イザナさんのボヤキ 他

【イザナさんのボヤキ】

「最近、どこもかしこもクリスマスムードね」

どこか虚空を見つめるように視界を浮かせながらイザナがポツリとそう言った。

「そうよね。イルミネーションとかすごいわよねぇ」

「どいつもこいつも赤服のおっさんに踊らされて嫌になるわ」

サリナの言葉に、ハァとため息を吐くイザナ。

「イザナちゃん。クリスマスに何か嫌なことでもあったの?」

スズメの問いにイザナは首を横に振った。

「そうじゃないわ。ただ」

「ただ?」

「こうなんか、雰囲気とかに流されてるバカどもを見るとイライラするのよ」

「だあるけど……イザナちゃんしに面倒まさいさー」

「それで、クリスマス会の話だけどヒラサカさんは来ないのよね」

「行かないとは言ってないわ」

「しにまさいさー……」


【イザナさんのボヤキ2】

「蛙の子は蛙って言うけどさ、蛙の子はおたまじゃくしじゃん。蛙じゃないじゃん」

「蛙って言う名前はあくまで人間が付けたもので、おたまじゃくしって名前も人間が付けたものだよね」

イザナの呟きにスズメが言った。

「蛙って呼ばれてるモノもおたまじゃくしって呼ばれてるものも、見た目は違っても同じもの――ってことを同じ“蛙”って言うことで表してるんだよ。嘘だけど」

「スズメの言うことだから信じそうになったんだけど」

そんなやり取りをする2人の間で、サリナが口を開く。

「蛙とおたまじゃくしは全然違うように見えても、おたまじゃくしはその蛙になるでしょう? 結局、おたまじゃくしは蛙になる。子どもは親のようになる――ってことで蛙の子は蛙って言うんじゃないかしら」

「よく分からないんだけど」

「ことわざの使い方的には蛙の子は所詮蛙になる――っていう感じだし、そう考えたら分かりやすいんじゃないかしら?」

「ふぅん……でもそれなら、蛙じゃなくてトンボとかでもいいじゃん。トンボの子はトンボ」

「イザナちゃんまさいさー」


【ヒラサカ・イザナの(自称)すべらない話】

「クリスマスを迎えるにあたって1つ、クリスマスに関した話でもしてあげるわ」

「何を突然」

イザナの言葉に、サリナがすかさず突っ込む。

そんなサリナを無視して、イザナは口を開いた。

「ある所にルドルフと言う男の子がいたの。彼は鼻が赤いからといじめられていたんだけど……」

「ヒラサカさん、それって赤鼻の」

「あるクリスマスの日にルドルフの怒りは爆発。『表に出ろッ!!』」

「!?」

「レストランの前では血で血を洗う大喧嘩。真っ赤に染まったレストランの前。慌てる店主。そんな店主の前に彼がやってきたの」

「だ、誰が?」

「それはサンタクロース。慌てる店主にサンタはこう言ったの。『これで当分ケチャップには困らねぇな! メリークリスマス!』ってね」

「いやいやいやいや、どこから仕入れたのよそんな話……」


【もう12月も半分過ぎてますよ】

「最近、本当寒いよねー」

「雪が降ってる地域もあるわよね」

「12月にもなるし当たり前だばーよ」

「機甲科の制服も冬服になってるしね」

今明かされる衝撃の事実である。

「年末には大掃除しなくちゃいけないなぁ……」

「スズメの部屋、汚れてんの?」

「私の部屋ってよりは、マッハ先輩の部屋が……」

「ああ……」

スズメの言葉にイザナをはじめとして、それぞれが納得したような声を上げた。

「でも、大掃除はやっぱりしないといけないわよね」

サリナが言う。

「いつも使ってるお部屋だし、感謝の気持ちを伝えるって意味でも」

「アンタ良い子ね……」

「だからよー」

「当たり前にあるものには感謝の気持ちを覚えづらいものだけど、ちゃんとそういう気持ちを持って何かするってことは良いことだと思うよ?」

「……そうね、スズメの言う通りだわ」

「だからよー」

「あなた達……」

イザナとイヴァの反応に、何か突っ込みたいように手をワキワキとさせるサリナ。

だが、そこにふと第三者の声が割り込んできた。

「アンタ達良いこと言うわねぇ~」

「げっ、サヤカ先生」

その姿を見てイザナが思わずそんな声を上げる。

「今年最後の授業はみんなで大掃除でもしようかしら~」

「えっ」

「本当、ですか」

「うわ、面倒くさ」

「だからよー……」

「そんじゃ、よろしくね~」

そう手をヒラヒラさせながらその場を去るサヤカの後姿を一同はただ茫然と見つめることしかできなかった。

「口は禍のもとって言っちゃいますよねー」

最後のポツリと、他人事のように――いや、他人事なのだが、ユウレイが言った。


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