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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
夏休み:大装騎大会
126/322

大装騎大会開催!

7月26日日曜日――神都カナンの中心にある国立装騎中央公園。

そこで、その大会の幕が上がった。

「ついに始まりますね、リーダー・ロジャース!」

「ああ、エージェント・ダイン」

そう言いながらウキウキ気分の2人を尻目に、

「バレないように変装する、装騎を変えるってのは分かるけど――何なのよこの偽名」

「まぁまぁ、せっかくのイベントなんだ。楽しもうぜエージェント・ナタリア」

「エージェント・ワンダはどうですか?」

「問題無い」

ややげんなりとした表情の1人に、いつも通り物静かな1人。

黒スーツに身を包み、装騎に乗り込む4人組――彼女たちはチーム・オールステラ。

ディアマン・ソレイユ率いるチームだった。

リーダー・ロジャースことディアマン・ソレイユ。

搭乗装騎はウェーブナイフオンリーの装騎アブディエル。

エージェント・ダインことサエズリ・スズメ。

搭乗装騎はサブマシンガン・レッカにシールドナインライフル。

ナイフ・クサナギを装備した装騎ヘルメシエル。

エージェント・ナタリアことヒラサカ・イザナ。

搭乗装騎は霊子砲ロンゴミニアド内蔵型の突撃槍ロンを装備した装騎アブディエル。

エージェント・ワンダことサクレ・マリア。

搭乗装騎はオリエンタルブレードオンリーの装騎ミカエル。

そう、各員が得意とする武装と装騎をシャッフルするという少し変わった試みで4人は今回の大会に挑むこととなった。

「このサバイバル形式の大装騎大会は、4人1組のチームが入り乱れる生き残り戦! 更にこの大会恒例のゲストにも出演して頂きましょう! チーム・ステラソフィアの方々です!!」

何故か司会を務めているステラソフィア生でチーム・ソルフェージュ所属ミウラ・リタの声と、観客達の歓声と共に4騎の機甲装騎がモニターへと映し出された。

「チーム・ステラソフィアのリーダー、装騎スーパーセルを駆るワシミヤ・ツバサ!」

その言葉と共に手を振る装騎スーパーセル。

「ツバサ先輩と戦えるなんてドキドキしますね!」

「ツバサはオレ達が出てることを知らないしな。それに、他のチームも観客も、な!」

ニヤニヤが止まらないソレイユとスズメの2人、この2人はなかなかに気が合うようだった。

「ワシミヤ・ツバサを支える純白の魔術銃使、装騎スネグーラチカを駆るテレシコワ・チャイカ!」

「チャイカか、手堅い所だな」

「そうですね! このゲーム大会はサドンデス戦みたいですし」

ワンショットキル戦。

それが今回の大装騎大会の基本ルールだった。

名前の通り突然死――1発の攻撃を装騎が感知した瞬間、戦闘不能扱いになるゲーム形式。

その為、魔力を用いた障壁などで装騎に攻撃を触れさせずに受け止められる魔術使などは特に有効だ。

「射撃に爆撃なんでもお任せの美しき破壊者、装騎ラプソディを駆るマーキュリアス・クイーン!」

「チャイカ先輩にクイーン先輩――ツバサ先輩ファンクラブですかね」

「あー、現妻と前妻か」

しかし、チャイカの登場までは大きかった観客の声援が少し静かになっている。

それに気にした様子もない装騎ラプソディ

そして最後のメンバー。

「やる気だけなら誰にも負けない、チーム・ステラソフィアの切り込み隊長。装騎フリップフロップを駆るヒンメルリヒト・ヒミコ!」

「何でヒミコ……」

まさかのメンバーに少し驚いたような様子のイザナ。

そして、観客からもまさかのチョイスに落胆の声が漏れるのを聞きこえる。

「ヒミコならバカだし簡単に釣れるしこういう空気にも強ぇからなぁ……」

「ああ……」

そんな観客の反応に何やら叫びながらカメラを指さす装騎フリップフロップに、ソレイユは合点が言ったように呟き、イザナも納得した。

「“強烈”な顔ぶれのチーム・ステラソフィア! しかし、今回の戦いは様々なチームが入り乱れるサバイバル――――チーム・ステラソフィアを倒すのはアナタかもしれません!」

広大な国立装騎中央公園の敷地を利用した今回の大装騎大会。

参加する4人1組のチームは、その広大な敷地にランダムでスタート位置が決定され、その場所から場所の分からない敵チームを補足し撃破することで最終的に生き残りを出した1チームが優勝となる。

ただし、チーム・ステラソフィアの開始位置は中央公園の更に中央に聳えるシャダイコンピュータサーバータワー前で固定であるため、多くの参加チームはまずその場所を目指すことになる。

「自チームだけで行動するもよし、チームでバラバラに行動するもよし、他人のチームと手を組むのもよし、奇襲に欺瞞、漁夫の利狙いもOK。最終的に生き残ったチームが勝者! それでは、これより大装騎大会――――バトルスタート!」

人々の歓声の中――――サバイバルの幕が上がった。

「行くぜ、チーム・オールステラ! ミッション、スタートだ!」

「スタートです!」

「スタートね」

「スタート……!」

「よっしゃ、完璧ィ!!」

予め決めていた掛け声と共に、チーム・オールステラの4騎もサーバータワーを目指して駆け出す。

「――別チームの気配あり」

「早速か!」

静かに周囲を観察していたマリアが早速敵の気配を感じた。

「そんじゃ、基本戦術Aで行くぜ」

「諒解!」

ソレイユの号令に従って、まずはスズメが両手に持ったサブマシンガン・レッカを補足した敵チームへと撃ち放つ。

「何だ!?」

「奇襲です! 他のチームに見つかってたみたいで……うわっ!?」

チーム・オールステラが最初に補足したチームは、“チーム・青き革命団”

その名の通り、青く塗装された装騎で統一されているチームだ。

撃ち放ったサブマシンガン・レッカの弾丸が1騎の敵装騎を戦闘不能にする。

「何だあのチーム!? ほとんどが格闘武器とか舐めやがってッ!」

射撃で応戦する残りの3騎。

その中央突破を狙うように突っ込んで行ったのはイザナ騎。

「霊子砲ロンゴミニアドっ!」

その手に持った突撃槍ロンが展開されると、そこからアズルの輝きが迸る。

ロンから盾のように放射された霊子砲ロンゴミニアドの輝きが、敵装騎の放った弾丸を蒸発させた。

その輝きに乗じて、ウェーブナイフを構えたソレイユ騎とオリエンタルブレードを構えたマリア騎が2方向に分かれると敵装騎を挟撃するような形で攻め込む。

そしてそのまま、素早い動きで側方を固めていた2騎の装騎を戦闘不能に――そして、イザナ騎の背後から飛び出したスズメ騎が、枝を掴み取りぶら下がったままサブマシンガン・レッカの1撃で中央の装騎を戦闘不能にした。

「1撃で勝負が決まるなんて、これはこれで良いですねぇ!」

「この形式だと乱戦になりがちだから、流れ弾とかに当たらないように気を付けねーといけねーけどな」

「流れ弾でも当たれば一撃必殺って言うことね」

「そーいう事だぜ。んじゃ、マリアちゃんは引き続き警戒ヨロシク!」

「――諒解」

その戦闘の様子はモニターで観客へと中継される。

何処にどのチームがいるのかは知らされないが、それぞれのチームの動向と戦闘を見ることが出来るのだ。

「早速、各地で交戦がはじまっています! そんな中、真っ先に戦果を挙げたのはチーム・オールステラ! 無名のチームでありながら、滑らかな連携でチーム・青き革命団を一瞬で掃討しました!!」

全ての星オールステラか……アタシ達ステラソフィアを差し置いてそんな名前を名乗るなんて中々強気なチームだな」

その実況を聞いたツバサがポツリとそんな事を呟いた。

「そうね、オールを使うのであれば普通はステラではなくスターにするべきだもの」

その呟きにクイーンが同意する。

「リーダー! 他チームの気配アリ、ですわ!」

「来たぁ! あたし達チーム・ステラソフィアの力を見せつけちゃおうっ!!」

「それじゃあヒミコ、チャイカ、頼むぞ!」

「ヒルメフラーレ、照射ァ!!」

「魔力砲撃ですわ!」

「切り込むぞクイーン!」

「ええ、行くわよツバサ!」



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