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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
ステラソフィアの日常:てんてこ編
119/322

ステラソフィア☆マラー 買い物にいこう! 他

【買い物にいこう!】

「わー、これとか可愛いんじゃない?」

「あー、でーじいいさー!」

スズメとイザナ、サリナとイヴァの4人は水着ショップへと来ていた。

モチロンこの夏休み、プールに遊びに行くつもりだからだ。

「スズメ、コレとか良いんじゃない?」

そう言いながらイザナが持ってきたのは紺色をしたワンピース型の水着。

「スク水じゃないですかぁー!!」

スクール水着だった。

「それじゃあ、コッチ――」

「なんですかその幼児用みたいな水着!?」

いつも通り、イザナのスズメいじり(?)が進む中、各々が水着を探しては、合わせてはしている。

「ヒラサカさんはこの水着とか似合うんじゃない?」

そんな折、ふとサリナがそんな事を言いながら、白い布を持ってきた。

「わぁ、イザナちゃん穿いてみてよ!」

「――――スズメがそう言うなら」

そう言いながら、試着室へと姿を消すイザナ。

それから暫く――――

「ってコレ、ふんどしじゃないの!!」

「ぷっ、ぷぷぷ――ヒラサカさん、似合っ――――似合ってるじゃない」

「イザナちゃん、最高です!! ぷぷぷ」

試着室のカーテンを思いっきり開けながら叫ぶイザナに、サリナとスズメは笑いを堪えながら(堪え切れてなかったが)そう言う。

「おお――――漢の中の漢さぁ」

そんな中、イヴァが感心したような声を漏らした。

「死ね。マジで死ね」

顔を赤らめながら、試着室のカーテンを閉めるイザナ。

「それで、2人とも何を買うか決めたの?」

「うーん、まぁ、このキュロット付いてるワンピが可愛いからコレにしようかなぁ」

「イヴァはこのパレオが良いさー」

「良いじゃない。で、ヒラサカさんは――――」

「やっぱりふんど――」

試着室から出てきたイザナは

「中学の時の学校指定水着で良いわもう」

スズメの言葉を遮りそう言った。


【イザナの欲望】

「他に何か買いたいものはないかしら?」

サリナの言葉に、首を横に振るスズメとイヴァ。

そんな折、

「あ、そうだわ」

イザナが何かを思い出したように声を上げた。

「どうしたのヒラサカさん?」

「ここらへんに電器屋あったわよね」

「あったけど……何買うの?」

「カメラよ」

イザナの言葉に、その場に居た全員が悟る。

「べ、別にいいんじゃないかしら……」

「なにいってるのよ。いっしょうにいちどしかないこういちのなつのおもいでなのよ。いまとらないでいつとるの、いまでしょう」

そう力説するイザナだが、その言葉の端々から「スズメの水着姿を撮りたい」と言う本音が透けて見えた。

「また変な嘘吐かないで正直に言いなさいよ」

サリナにそう言われ、イザナは仕方なさそうに口を開く。

「さいきんかめらにはまってて……」

「はい嘘! ていうか、SIDパッドの写真機能で十分でしょ」

「じゅうばなない!」

そんなイザナとサリナのやり取りを見ながらスズメが呟いた。

「なんか母娘のケンカみたいですね……」

「だからよー」


【スズメのおつかい】

「そういえば、私もチャイカ先輩からお使い頼まれてるんでした」

「そうなの?」

「はい、いつも使ってるシャンプーが切れたので新しいのを貰って来てって言われてて」

「テレシコワ先輩が使ってるシャンプー……高そうね」

「高いわよ」

サリナとスズメの会話に割り込んできたのはイザナだった。

どういう訳か、チャイカの使っているシャンプーについて存じている様子のイザナ。

「もしかしてイザナちゃんもそのシャンプー使ってるの?」

「――――そうよ」

「わぁ、奇遇だね!」

「って何でヒラサカさんがテレシコワ先輩と同じシャンプー使ってるのよ……」

小声でそう呟いたサリナに、イザナが小声で返した。

「スズメも使ってるからに決まってるじゃない」

そう、スズメは普段、チャイカのシャンプーを借りているのだった。

「え、もしかしてスズメちゃんが使ってるから調べて自分も同じのを――――?」

「トリートメントもコンディショナーもボディソープも同じの使ってるわ」

「ねえ――――流石にそのレベルになるとドン引きなんだけど……」

ちなみに、それらの用品もチャイカのを借りているため、出費は半端ない額になる。

「特に私は髪長いし……」

「ストーカーも大変ね……」

「ストーカーじゃなくてファンよファン!」

「イザナちゃん、そのシャンプーが売ってるエクレールってお店はどこだっけ?」

「ああ、案内するわよ。ていうかお金はあるの?」

「チャイカ先輩が先に払ってるから、先輩の名前を出して受け取ればいいだけだから」

「なるほどね」


【上級者】

「そういえば、上級者になると好きな有名人が使ってるシャンプーやリンスを飲むって言うさー。イザナちゃんは試したわけ?」

イヴァがふと発した言葉。

「飲む!? ――――考えた事無かったわね……飲む……」

それにイザナは驚きながらも、顔の前で指を立て、何やら考え込んでいる。

「何ちょっとやってみようとしてるのよ! 流石にネタよ!」

イザナならやりかねんと思ったのか、サリナが慌ててそう口にした。

「何の話してるの?」

そこへ話を聞いてなかったスズメが疑問の声を上げるが、サリナは、

「うーん、ファンとしての愛情表現の話、かしらね……」

ととりあえず誤魔化しておいた。


【スターとしてのオーラ】

「あ、あのっ!!」

カナンを歩く4人に、ふとそんな声がかけられる。

「ヒラサカ・イザナさんですよね!? ステラソフィアの!」

声をかけたのは、イザナのファンと思しき女性だった。

「ヒラサカ・イザナ!?」

「あ、本当だ!」

「クールぅ!!」

その声を聴いた周りの人達が俄かに湧き始める。

「イザナさんアレやってアレ!!」

「――――アレ?」

周囲の人々から投げかけれる言葉に、スズメも、サリナもイヴァも首を傾げた。

「イザナちゃん、アレって――――」

「こんな所でアレやってとか、人様の迷惑になるじゃないの。この、ゴミクズ共が」

「キャー!!!!」

イザナのファンは、いろんな意味で濃かった。

「あーもう、ウザいわ。さっさと行くわよ」

そんな中、ふとこんな会話が聞こえてきた。

「私はヒラサカ・イザナよりもサエズリ・スズメ派かなぁ」

「そうなの?」

そう言ったのは女子高生2人組で、丁度今スズメ達とすれ違ったのだが、二人ともスズメの存在には気付かなかった。

「ヒラサカさんすごい人気ね……スズメちゃんもこんな風になったりするんじゃない? MVKだし」

「この前カットをしに行ったらですね、美容室のお姉さんに『サエズリ・スズメちゃんに似てるわねぇ』って言われましたよ」

新入生歓迎大会で最優秀騎使――MVKの称号を貰いテレビでも新聞でもネットでも大々的に報道されたスズメだが、如何せんオーラが無いのか、スズメが街を歩いていて騒がれたことは無かったようだった。

「騒がれない方が楽でいいわよ」

「出た、スタァの余裕!」

「バカ言ってないでさっさとここから離れるわよ!」

さすがにイライラが隠せず急ぎ足になってるイザナに、スズメ達3人は合わせてその場を急いで離れた。


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