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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
ステラソフィアの日常:てんてこ編
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ステラソフィア☆マラー:休日の午後 他

【休日の午後】

スズメ、イザナ、サリナ、イヴァの4人はステラソフィア中央街のケーキ屋でダベっていた。

「スパローってチョコショートみたいな色してるわね」

イザナがスズメが食べているチョコレートショートケーキを見て、ふとそんなことを口にした。

「確かに……私、こういう色が好きなんですかね」

そういうスズメはどうやら自覚が無いようだ。

「砂漠仕様って感じでかっこいいさー!」

「なるほど、チョコ色……そう考えたら可愛いかも」

そして、各々違った反応を見せるイヴァとサリナ。

「砂漠仕様チョコショート――そう考えると、このチョコスティックが火砲に見えてきますね……!」

「つまり、砂上戦闘艇チョコショートであるわけさ!!」

「何かカッコいいです!!」

「そ、そうかしら……」

変に盛り上がるスズメとイヴァに、サリナが小声でつっこむが、テンションの上がっている2人の耳には届かない。

「サエズリ隊長! 砂上戦闘艇チョコショート撃破任務に参加してもらいたいさー!」

「諒解! サエズリ・スズメ、スパロー、行きます! スパロー、レイ・エッジ!!」

そう言いながら、フォークでチョコレートショートケーキを削り取ると口へと運ぶスズメ。

「こらこら……食べ物で遊ばない」

「小学生の頃とかこんなノリの男子居たわよね」

「サエズリ隊長! 戦果は!」

「砂上戦闘艇チョコショート、美味しく撃破しました!!」


【髪がのびるのが早い人は……】

「最近、髪のびるのが早いような気がすんのよねぇ」

艶やかな黒髪をいじりながらイザナがポツりとそんな事を口にした。

「カットするのも安くはないものね」

「いや、自分で切ってるからソレは良いんだけど――面倒じゃん」

「へぇー、イザナちゃんって自分で髪の毛切ってるんだぁ」

「そうよ。ナイフでバサッと」

そんな事をすれば髪が傷みそうな気もするのだが、イザナの毛先は綺麗に纏まっている。

それを見たサリナが、

「そんな雑に扱ってるのにこんなに綺麗とか――――なんかムカツクわね」

とぼやいた。

「イザナちゃんが髪の毛のびやすいのも仕方ないさー」

そんな折、ふとイヴァがそんなことを口にする。

「何でよ?」

睨みをきかせながら、イヴァへと問うイザナ。

その傍でサリナが何か納得したように言った。

「そういえばよく言うわよね。髪が早くのびる人は――――」

「ああ、エロガッパ!」

「誰がエロガッパよ」

スズメが両手をポンと合わせて言った言葉に――だが、イザナはイヴァに向かって怒鳴りつけた。

「イザナちゃんの髪の光沢がカッパさんのお皿みたいに見えてきたさー」

「確かに……」

「何なのよアンタ達!」

「まぁまぁ、ヒラサカ様。ここはどうかコレでお収めくださいさー」

「私ですかっ!?」

そう言いながら、イヴァがスズメを前に押し出す。

「スズメを出せば私が許すとでも思ってんの!?」

そう言いながらも、イザナはスズメを抱きしめると、スズメの頭の上に自分の顎を乗せてご満悦のご様子。

「体は正直ね……」

「とんだエロガッパさー」


【あの頃は】

「スズメちゃんって機甲装騎には小さい頃から乗ってたの?」

「そうだよ。5歳くらい――だったかなぁ……プラモ屋のお姉さんの装騎に乗せてもらったりしてたんだぁ」

休み時間の雑談。

ふと、そんな話になった。

「5歳って……小学校で機甲装騎が科目に入るのって4年生くらいだっけ?」

「それくらいね。今小5のうちの弟が去年から装騎の授業入ってるし」

「へぇ、ナギくんって今5年生なんだ!」

「装騎の成績良いから最近調子乗ってて本当ウザいわアイツ」

「でも、イザナちゃんの弟だけあってナギくんセンスあると思うよ」

「そうかしらねぇ……」

「そういえば、遊園地に行ったとき戦ってたわね……」

「だからよー」

ふと、遊園地に行った時のことを思い出し、サリナが呟く。

「しっかし、スズメってそんな小さい頃から装騎に乗ってたのね……そりゃあ強いわけだわ」

「他に遊び道具が無かっただけだよー」

「確かにあのあたりってカナンと比べたら全然田舎だしね」

イザナの言葉に、スズメが首をかしげる。

「あれ? イザナちゃんってプラハに来たことあるの?」

「そういえば、私が装騎にハマったきっかけって言ってなかったっけ?」

「ヒラサカさんが装騎にハマったきっかけ?」

「すっごい気になるさー!」

「私のばあちゃんちが丁度プラハの近くにあってね。ばあちゃんちに遊びに行ってた時なんだけど、その近くで機甲装騎の大会があったのよね」

年齢制限無しの1対1の装騎バトル大会――――その大会の優勝者は当時13歳の1人の少女だった。

それがサエズリ・スズメ――イザナはその戦いに心を引かれて装騎バトルをするようになった――――と言う話は以前の通りだ。

「それ以来、私はずっとスズメに憧れて装騎バトルをしていたのよ」

「初めて聞きましたよ、そんな話!?」

「言うタイミングも無かったものね……」

「サリナちゃんは?」

「あたし? あたしはソレイユ先輩達の影響かなぁ」

「そうなの?」

「うん。エレナ家とディアマン家は昔から付き合いがあって、よくソレイユ先輩やロズ先輩と遊んで貰ってたのよ」

「なるほどね――と、言う事はサリナも結構強そうね」

「そんなことないわよ」

「でも、サリナちゃんってソレイユ先輩の技使ってたさー」

「抜刀一閃ですね!」

やけに持ち上げられることに、サリナはやや照れたような表情を見せる。

「まぁ、新歓決勝ではそんな役に立ってないけどね」

「何ですって!?」

イザナの言葉にサリナがイザナに掴みかかった。

「じょ、ジョーダンよ。ほらなんか持ち上げてる雰囲気だったから落とさないとと思ってさ」

「そんな空気の読み方要らないわよ!」

ベシッとサリナの手のひらがイザナの脳天を叩いた。

「あ、あはは、それでイヴァちゃんは?」

「イヴァはロボットが好きであるわけよ」

「それで?」

「それだけさ」

それだけだった。

「それなら装騎バトルで決着付けましょう!」

「良いわよ。行きましょうか!」

その傍で、どういう訳かイザナとサリナの戦いが勃発していたが、それはまた別の話。


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