表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
災悩人への贈り物  作者: 鬼無里 蟹
何やら続く[弐]話へ
25/26

[弐]話(10.9)その後のオチ

~とある木造アパートの敷地内~


 鬼無里優夜の参戦と、樹里哉夢の復活。

 これにより形勢逆転――とはいかなかった。

 いくらこの二人であってもプロである彼ら二人の魔術師とは互角までしか張り合うことはできない。

 ただ今回ばかりはどうやら哉夢たちに時間が見方をしてくれていた。

 闇。

 完全に日が落ちたこの薄暗い空間では、災悩人である彼の力は通常よりも強化されていることを二人の魔術師も知っていた。

 また、鬼無里優夜という得体の知れない存在。

 【終焉を喰らうモノ】の議長でもある彼なのだが、その存在はあまり知られていない。

 それは彼と関わった人間の大半が既にこの世界から消えていることと、そのあまりにも起こした事件が大きすぎて日本政府からも隠されているからだった。

 ――少なくとも今二人の魔術師たちは鬼無里の情報を持っていなかった。

 それに加えて、先程仕掛けた魔法陣の9割も破壊されていたため、直接衝突するには不利な状況だった。

 そんないくつかの理由が積み重なり、


「……撤退するぞ」

と、割とあっさりとした幕引きとなったのだった。


⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔


「中学生以来だね、

 こうやって会うのは、

 樹里くん」

 二人の魔術師が去った後、鬼無里は樹里へと話しかけた。

「お久しぶりです、鬼無里先輩」

どうやら二人は中学での先輩・後輩の関係であるようだが、しかし、あまり哉夢の表情はさえてはいなかった。

 その表情は鬼無里を嫌悪しているわけではなさそうだが、何故か非常に後悔しているように見えた。

「逢坂ちゃんも久しぶり。

 それにしてもやっぱり二人とも相変わらず変わってないね。

 まあ、流石に宇祖月(うぞつき)くんとか程じゃあないけど、

 でも、あのころのままだ。」

逢坂とも同じように中学の後輩であったらしく、また二人と何かしらの特別な関係があったようだ。

しかし、その関係については後回しとなるが。

「…鬼無里先輩、乗鞍先輩と、穂高先輩はどうなりましたか?」

「鋼希くんと幸か……、

 幸の方は今も元気に暮らしているよ。

 おそらくどこかの大学に入ったんだと思うんだけど此処五年間縁が切れてるからねぇ、

 そのあたりは詳しくまでは解らない。

 ただ、鋼希くんはもういない。

 {ボク}との因果も綺麗サッパリ断ち切られている。

 この世界にいないどころか存在自体も確認できないほと遠くまで行ってしまったようなんだ。

 辻ちゃんに占ってもらったけど未来でも再会は見込めないそうだよ」

「…そうですか」

哉夢は少しうつむいた。

「では、陽や和地、それに風和さんと桜さんは今どちらに?」

今度は悠子が質問する。

「ああ、みんな【終焉を喰らうモノ】にいる。

 多分、今頃それぞれが活動している頃なんじゃないかな?」

「そういえば、鬼無里さんは【終焉を喰らうモノ】の議長を務めているとお祖父様から伺ったのですが?」

「うん、そうだよ」

「では、あれは鬼無里さんの命令ですか?」

悠子は常葉を指差し、鬼無里への剣幕を強くする。

「…まあね。

 正確には命令じゃあないんだけれども、

 最終的に常葉ちゃんへ下したのは{ボク}だよ。

 今回起こることは意外にも不確定で、

 あの辻ちゃんでさえも予言しきれなかったぐらいなんだよ。

 軽薄な男なら分かっていたかもしれなかったけど、

 とにかく防ぐことが困難だったから、

 常葉ちゃんを監視及び保護というかたちで樹里くんへ付けたんだよ」

「だけど、」

その会話に哉夢が割り込む。

「先手を打ったにもかかわらず防ぎきれなくなった、だから保険として用意されていたアンタがあのタイミング現れたということですか。鬼無里先輩。」

その口調はかなり厳しい。

「助けてもらったことにはとても感謝しています。ただ、できればアンタにだけは関わって欲しくなかった。いや違うな、――最初から関わることが目的だったのか?【不幸な物語】バットエンド・メイカー鬼無里優夜」

 鬼無里の性質――、それは彼が関わってしまった物語はどう転んでも必ず結末が不幸になる。

 今回の件だって、哉夢は死にかけ、悠子は精神に傷を負い、常葉は護衛を失敗し、川霧は分離の反動のダメージが残り、葉志和は瀕死の重体だ。

 誰一人として幸せな結末とは言えない。

 それは相手側も同じことが言え、両方が不幸になった。

「確かにそうかもしれないね、

 今回ばかりは故意だ。

 此処までのことになるとは流石に思わなかった。

 それについては悪いとは思う。

 だけど、{ボク}は何もしていない。

 あくまでも傍観だよ。

 いや、むしろ君たちをサポートして助けたぐらいだ。

 ちゃんと救護班も呼んだしね。

 だからあんまり憎悪をしないでくれ、

 これから少しばかり付き合うことになるんだし。」

「は?どういう意味だ、それは」

哉夢が疑問の声をあげる。

すると鬼無里は、わざとらしげに一枚の紙を哉夢の前に見せびらかす。





「このたび鬼無里優夜は霧ヶ峰高校へと転入することに決まりました。」




その紙には、『鬼無里優夜を霧ヶ峰高等学校への転入を許可する』と書かれていた。

そんなわけで鬼無里優夜が霧ヶ峰へと転入です。


ちなみに逢坂銀鬼と電話しているときに許可をもらっていました。


まぁ、既に許可証は発行済みだったわけですけれども。


これで本当に[弐]話は終了です。


お粗末様でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ