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災悩人への贈り物  作者: 鬼無里 蟹
何やら続く[弐]話へ
18/26

[弐]話(7)葉志和 慎太という殺人鬼

どうも鬼無里です。


すいません最近いろいろと多忙だったため投稿遅れました。

~樹里哉夢~


「主は本当に不幸体質な人間ね。」


 陶酔感とともに自分の過去へとタイムスリップしていた僕の意識は沙喜の言葉によって戻された。気づけば沙喜は僕の首筋に付いている血を舐め取っていた。


「ずいぶんと深いところまで潜っていたようだけど、何か思い出させるでき後でも起きたの?」


 そうやって血を舐め終わると僕に向けて質問を投げかけてきた。


「まあね、ちょっとばかり気になることがあってね」

「主の過去に関わるような?」

「どっちか、て言うと現在進行形かな?」


 そう答えると沙喜は顎に手をあて「ふーん」と何かを考えていた。

 そして――、

「それにしても主はなんて言うか、本当に毎日毎日が恵まれない日々を過ごしているわね。」

 僕の心を軽く砕いた。


「……相変わらず僕の心を簡単に砕くな。」

「事実でしょう?主の異能の特性だとは思うけれど、ホントなんて言うか――哀れね。」

 うわー、一応僕主人の関係なのに哀まれた。

「それに私が言えた義理ではないけれど、女難の相も憑いてるんじゃないかしら?」

 落ち込む僕を気にもとめず口撃を加える。

「私に、生徒会長に、あの女狐に、今回の護衛もどき……。あと神川を加えれば5人かしら?全く、主は女誑し?厄介ごとに巻き込まれるたびに次から次へと……」

「そんな僕をどっかの右手に全ての異能を打ち消す力を持った男子高校生みたいに言うなよ……」

 そういえばあの男子高校生は運命の紅い糸も打ち消してしまうんだっけ……。本当に不幸少年だな。


「さてそんなくだらないことは置いといて、主はこれからどうするの?」

 くだらないことなんだ……。

「あの護衛もどきの目的はおそらく私よ」

「そうなのか?」

「ええ、気づかなかった?全くいつものことながら本当に鈍感ね。それについてはある意味で尊敬するわ。まぁ、軽蔑に近い方の尊敬だけど」

 軽く死にたくなった。

 

 暴言のことはさてお……さておき、護衛もどき――もとい常葉緋美のことについて何故沙喜が知っているのかなんて言う質問を僕は口にしなかった。

 知っての通り沙喜は吸血鬼だ。

 そして僕と主従の関係結んでいる。

 それは完全に沙喜の吸血鬼としての能力を僕が制限すると言った関係であり、僕の命令も無しに勝手に使うことはできなくしている。

 だがこの服従関係は運命の紅い糸以上の深い絆で結ばれており、お互いの思考を共有できるようになっているのだ。

 と言っても僕は一回もそんなことしたこと無いんだけどね。


「勝手に覗いたら一生軽蔑するわ」


 そういうことだ。


「まぁ、何となく分かっていたことではあったけど、一応もう解決した問題ではあるんだろう?それなのにわざわざ『終焉を喰らうモノ』から派遣するようなことではないだろう」

「ええ、しかし私も主の近くでしか本来の能力は発揮できないけど、それでも主の近くにいれば本気を出せることには変わりませんから。危険性は無視できるようなモノではないわ。

 おそらく、私の危険性を監視するのを主の護衛という形で隠しているのではないかしら?」

「何にせよ警戒するに越したことはないか……」

「もう、いっそのこと殺ってしまう?」

「いや、いくら何でもまずいだろ」

「じゃあ、パチンってする」

「可愛い表現使っても駄目だ」

 本当にこいつは考えが危険だ。

 て言うかパチンって何だよ。


「まぁ、主がお人好しの甘々超絶に優しい人間だってことはいつものことだけど、私たちに迷惑をかけたくないからって何でもかんでも抱え込まなくていいのよ。私たちは互いに頼り合い、助け合う関係なのよ。そこには迷惑なんて感情は一切ないし、むしろ頼られてうれしいぐらいなのよ。だから勝手に潰れる前に少しぐらい私たちにも分け与えなさい」


 全くこいつは――

「お前は本当にいいヤツだよ」

僕は沙喜の頭に手を置き、そのまま撫でてやった。


~樹里哉夢・商店街にて~


 そんなこんながあって今日の授業も無事に終わり、僕は帰路へとついていた。

 今日は部活動もなく、悠子は生徒会の仕事で忙しく、常葉はなにやらやることがあるらしく僕はたった一人で空しく下校していた。

 

 と言っても本当に一人ではなく、今日に限っては沙喜が僕の影の中に潜んでいた。

 影に潜んで闇夜を移動する吸血鬼のスキルでもあった。


 沙喜曰く――

「あまりにも主の不幸体質が哀れなので今日は私が付いていってあげるわ」

だとか。


閑話休題


 僕がソイツを見かけたのは狭い路地から大通りへと抜けるときだった。

 ソイツは気付いているのかどうか分からない表情をしていた。


「めんどくせぇ……」


 僕はそう呟きながらタイミングを待った。

 そしてソイツが一定距離内にはいると僕はソイツに向かって駆けだした。


「おっ、哉夢――」

 そして僕はソイツが二言目を告げる前に跳び蹴りを繰り出した。

 ねらい目は右脇腹および鳩尾にヒットするような角度で蹴りを入れた。

「へ?ぐふぉっ!!」

 出会い頭の強襲。

 咄嗟には回避も防御もできずに僕の蹴りが突き刺さった。

 かなりの勢いを付けて放たれた跳び蹴りだったので相手の体が宙に浮く。

 そしてそのまま受け身も取れずに地面を転がる――はずだった。


 ソイツは両手を地面に付けてハンドスプリングをするようにして後ろへ飛んだのだった。

 ついでに僕へ向かってサマーソルトを顎にはなってきた。

 もちろんこの反撃は最初から予想図身だったので腕で防御した。

 そして華麗に地面へ着地。

 この間1秒にも満たなかった。


「哉夢いきなり現れて一体何をするんだよ!」 

「くそ、そこは普通に喰らっておけよ。後ろへ飛んで衝撃を受け止めながら反撃のサマーソルトってどこの漫画だよ!」

 その抗議の声を無視して僕は悪態を付く。

「いやいや、無視ってひどくないか」

 ソイツは――葉志和 慎太は少し悲しそうにそれでいて呆れた声を漏らした。


 葉志和 慎太


 こいつは僕の親友に当たる人物で、

 異能災害研究部の一員で、

 才能人で、

 殺人鬼で、

 異常で異常な人間で、

 僕の正反対のモノだった。


「お前にはこれらくらいの対応でいいんだよ」

「だとしたって、さっきのはもろに入ってたら10分ぐらい悶絶したと思うよ」

「でも入ってないんだろう?死角からの不意を突き尚且つ右脇腹・鳩尾に全速力からの飛びげりではあったのに、お前は喰らってからの対応でダメージを受け流しておまけに反撃つきというまず人間ではあり得ない異常な対術を異能を使わずに行ってる」

 僕は黙々と事実だけを紡いでいく。

「お前のような異常なやつに普通の対応をする必要はねぇ。あれぐらいでちょうどいいんだろ?」

 冷酷に残酷に、悪役を演じて偽悪者を気取って。


「なぁ、もと連続殺人犯」


 僕は言い放った。

 言葉を刃と変えて。


「……ははっ、出会い頭からいきなり容赦ないね哉夢は」

 まさに辛辣そうに慎太は呟いた。

「は?容赦?何それ?食えるの?」

 僕は呆れたように返した。


『きゃー!!ひったくりよー!!誰か捕まえてー!!』

 そのときどこからともなく女性の叫び声が聞こえた。

 それと同時に黒いニット帽子とサングラスを掛けたいかにも怪しそうなヤツがこちらに走ってきた。

「オラどけ!!」

 ソイツは右手に持ったナイフを振り回しながらつっこんでくる。

「本当に面倒くせぇ……」

 平凡な僕は呟いた。

「ははは……」

 異常な慎太は苦笑した。

  

 そしてひったくりがちょうど僕たちの横を抜けようとしたとき僕たちは動いた。

「がっ!!」

 僕はひったくりに足をかけて転ばした。

「よいしょ!」

 慎太はその前につんのめっていくひったくりの顔面に右手で裏拳をを喰らわした。

 ひったくりは後ろ向きに頭を打ち付けながら倒れた。



「痛たた……。この糞餓鬼がぁ!!」

 後頭部を抑えながら立ち上がったひったくりは何も持ってない(・・・・・・・・)右手をこちらに突き出した。

「何?」

 ひったくりの右手にはもうナイフはなかった。

 それだけではなく顔を覆っていたニット帽子も黒いサングラスも奪ったポーチも持っていなかった。

「は?――ぐえっ!!」

 僕は面倒だったのでひったくりが現実に戻る前にさっき慎太にはなった跳び蹴りを喰らわせた。



「めんどくせぇ……」

 平凡な僕は呟いた。

「はは……」

 何故か持っていたポーチを返した異常な慎太は苦笑した。

 

   




 ひったくりから奪ったニット帽子を回しながら。

いや~、この話書くのに結構時間がかかってしまって尚かつうまくまとまりませんでした。


本当にすいません。


そんなわけでそろそろバトルパートです。


え?全くその前兆がない?


いえいえしっかりとフラグは建てましたよ。


そんなわけでお粗末さまでした。

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