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年老いて気の毒

作者: 武田道子
掲載日:2026/02/05

年老いて気の毒




年老いて気の毒

いつ私は老いた人に出会った時に

心のどこかで思い始めたのか


のろのろとした歩行

辺りのことには無頓着な様子

老いた人の周りでは

時間もゆっくりと過ぎていく


自分自身がいつか

この老人のようになるなど

想像さえもできなかった


思いやりのかけらもない

感性が死んだ魚のような目をして

「気の毒」と目をそらした日々


今、「老い」「老う」ということを

言葉ではなく体で受け止めている

「美しい」ということの意味を

言葉ではなく視覚で受け止めているように


行ったことのない遥か遠い国

船旅でも汽車旅でも

車でも飛行機でも

片道切符は刺青を刺したように

消えることはない


振り返ることを覚えたのは

徒歩でぼちぼちと歩くうちに

いつか来てしまっている

遠い遠いと思っていたところ


一歩一歩、歩む人たち

一歩一歩、歩む自分

前へ進む道のり

近いようで遠く

遠いようで近い

そんなところに辿り着いた


「年老いて気の毒」

高慢な頭の皮を剥げば

平手を食った時よりも

痛みが胸を切り裂くことを

軽はずみな心無い言葉が

意味する無意味を

噛み締めるのは自身






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