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追放令嬢は辺境の薬師として復讐を処方する――毒にも薬にもならないと言われましたが、処方箋は“ざまぁ”入りです。

王都の薬学院でも希少な“適合鑑定”の才を持つ伯爵令嬢リゼ・アルトリア。しかし、彼女の処方は派手な魔術や煌びやかな回復ではなく、生活に寄り添う“地味で確実な薬”。その平凡さを嘲ったのは、王都の名門たちと、形ばかりの婚約者。冤罪の毒薬事件で彼女は“王都追放”。
辿り着いた辺境・灰針(はいばり)峡谷。水は硬く、土は痩せ、魔獣は強い。だが、ここには都市にない条件がある――しがらみの薄さと、結果だけを見てくれる目だ。リゼは廃屋を改装し「針葉薬房」を開く。薬草畑、巡回診療、薬膳の屋台、出張鑑定。“効く薬”だけが評判を運び、村は少しずつ救われる。
やがて王都で“説明のつかない回復例”が話題になり、陰で腐敗を広げていた薬商会・王立薬学院・貴族派閥にささくれが走る。さらに、元婚約者の領地で謎の発熱と昏倒が連鎖――疫病。誰が流したかもはっきりしない“特効薬”の噂は、必ず辺境の名を指す。
王都は渋々、追放令嬢に救援を要請。リゼは“処方箋”を差し出す――そこには投薬量と投与計画、そして小さな但し書き。《費用:不正の開示、賠償、地位の返上、そして公開の謝罪》。
薬は体に、処方は社会に。リゼは今日も静かに、しかし容赦なく、世界を“正しい濃度”へと希釈していく。

主な登場人物

リゼ・アルトリア:元伯爵令嬢。適合鑑定の才。冷静皮肉屋、根は温い。

カイ:辺境傭兵上がり。搬送と護衛、屋台の火担当。味覚が異様に鋭い。

ミーナ:孤児の助手。暗算と記録魔。将来の薬房支店長候補。

ダイル村長:頑固。最初にリゼを受け入れた人。

ヴォルク侯(元婚約者の父):既得権益の巣。

セルジュ(元婚約者):体面第一。疫病で最初に助けを乞う滑走路。

ライサ:王立薬学院の異端教授。リゼの元師。内偵役。
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