表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/50

青いペンのメモ

記録形式:手書きメモ(拾得場所:第7封鎖区域・旧集合住宅跡)

筆跡:不安定/書き直し多数/青インクボールペン使用


[メモ本文:紙面一面に記された内容]


■忘れないために書く。誰も信じないと思うけど。

■もう名前がうまく出てこない。あの子の、あの子の名前。

■一緒に住んでいたのに、部屋の写真に写ってない。映ってないのに、一緒に笑ってる気がする。

■冷蔵庫の中身が減る。俺が食ってない。誰が食ってる?

■昨夜、夢であの子と話した。

■夢の中ではちゃんと声が聞こえた。起きたら、忘れてた。

■だけど、あの子は言った。「ぜんぶここにあるから」って。

■目が覚めたら、枕元にこの紙があった。俺が書いた覚えはない。

■俺が書いてるこれも、さっきまでの内容を思い出せない。

■思い出せないことが怖くて、書き足してる。でもどこまで書いたかがわからない。

■順番がおかしい? いいや、おかしいのは俺の方か?

■今、隣の部屋から水の音がする。誰もいないはずなのに。

■でもあの子が言ってた。「そっちじゃなくて、こっちで待ってる」って。

■俺は今、どっちにいる? 誰か、覚えててくれ。

■このメモのことを。あの子のことを。俺のことを。


(※メモの最下部に赤いペンで記された別人の走り書きがある)

→“これ、俺のじゃない。こんなの見た覚えない。”

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ