NTCイブニング7:病名のない病について
記録形式:ニュース番組の文字起こし(2042年10月21日放送分)
番組名:NTCイブニング7 第2部特集「いま、街で起きていること」より抜粋
[開始:19:31]
キャスター(司会・男性):
「さて、本日の特集では、“病名のない病”として一部SNSで話題となっている、
名前や記憶にまつわる事象について、専門家の先生をお招きしております」
精神科医・椎名陽子氏:
「はい。あくまで私見になりますが、現在報告されている現象の多くは、
記憶の再構成過程に起因する“認知的な疲労”や“社会的ストレス”に関連している可能性が高いと見ています」
キャスター:
「なるほど。“誰かの名前が思い出せない”というのは、ある意味では誰にでも……」
椎名氏:
「そうですね。ただ、今回話題となっている事象では、
“複数人が同じ名前を同時に誤認する”例が複数存在し、
さらに、“対象が実在しなかった”という報告まである点が、やや特殊です」
キャスター:
「実在しなかった……?」
椎名氏:
「はい、戸籍上・記録上の存在が確認されず、
関係者のみが“確かに存在していた”と証言する事例が、いくつか。
とはいえ、あくまで限定的な地域と環境下におけるもので……」
(スタジオ内に微弱な音声ノイズ・編集処理箇所あり)
キャスター:
「……ええ、なるほど。現時点での因果関係や病名の特定は、まだ……」
椎名氏:
「はい、正式な診断基準はありません。
ただ、こうした“記憶のズレ”が社会的に可視化されるのは、ごく稀なことです。
それが意味するものが何なのか、今後も注視が必要ですね」
キャスター:
「ありがとうございました。……では次のニュースです」