Battle 3 konoha075@yokohama[19]
デトックスで、美優の心に変化が!?
SNSの持つ意味って何?
本来なら情報発信とコミュニケーションを目的としたツールであるはず。
発言は自由で、一定のモラルさえあれば思うままに呟いていい。
それは、ファッションであったり趣味であったり、日常のちょっとした変化でもいい。同じ思想を持つ者同士情報交換したり、称え合ったり、或いは励まし合ったり。
反対意見があっても然りで、互いを認め合いつつも時には激論に発展する。
それでいい。
それでいいはず。
なのに何だ?
反対意見は受け止めよう。だけど、頭ごなしに否定した挙句、誹謗中傷レベルの言葉を浴びせてくる輩の、何と多い事!
私達MTG民…、私はミンミン…、は? 何の話や???
もとい、私達MTG民他SNS利用者は、趣味嗜好の合う者同士交友関係を広げて、身になる情報を発信し、また得るべくスレッドを立てたりレスポンスしたり、自身の意見をリプライしたりして楽しんでいる。
それなのに、いつしかこの理不尽な誹謗中傷に慣れっこになり、自らまでが匿名を盾に、スレ主を非難したり揚げ足取りをしたり、その手を、腹を、脳を黒く染めてしまっている。
そのために、貴重な時間を費やしている。
私は…。
私は、一体どれ程の時間をこのくだらないバトルに費やしてきたのだろう。
このふざけた時間を、レンと2人の時間として共有してきたなら、こんなに心が病む事などなかったはず。
あぁ、こんな私になっても、レンはいつも気にかけてくれているし、生活パターンを変えてまで治療に協力してくれている。
私は、私はいつも、レンに辛い思いばかりさせてしまっていたんだ。そして今も。
立ち直らなきゃ。
MTG中心じゃなくて、レンとの時間を中心にした生活に戻さなきゃ。
相変わらずバイブレーションし続ける、私のスマホ。
今それは手元になく、自宅のテーブルの上で、私に相手をしてもらえる時を震えて待っている。
あんなもの、正直言って必要ない。なくても生きていける。
奴と仲良くなればなる程、貴重な時間は奪われ、心を削られる。
だけどそれは、スマホが悪いんじゃない。
SNSに手を出し、言葉を凶器に変えて他人を攻撃する“鬼”のような連中を、やはり言葉で抑え込もうとする浅はかな考えに支配される自分が悪いのだと思う。
言葉と言葉の勝負。
真剣勝負のような格好良いものではなく、これは陰険勝負だ。
この陰険なバトルに加わった私も、陰険な悪人の1人なんだ。
誰もが悪!
そう悟った私は、立ち上がった。川沿いの道を、また歩き出した。
「ゴルアァァァ! 鳩ぉっ!!」
私の目の前で立ち止まり、桜の木の枝に止まった鳩に喧嘩を売る中学生。
あぁ、何と嘆かわしい。どんな大人になるのやら。
その意味不明の怒りをもっと大きな夢に変えていけば、きっと魅力的な大人になれるはずなのに。
このアタオカな中学生をスッと躱し、橋の向こうのコンビニへと歩みを進める。
喉が渇いた。ミルクティーが飲みたい。
「いらっしゃいませ」
アルバイトと思しき若い店員さんの声がとても明るく、私も安堵の笑みを浮かべた。
しかし、それも束の間。私の眉間には、深い縦皺が刻まれた。
「スマホ決済出来ひんやんけ…」
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