Battle 3 konoha075@yokohama[17]
レンは鬼になる!
デトックスは成功するのか!?
「レン…私のスマホ…」
「デトックスや。なんちゃらデトックス。スマホデトックスか」
今日も突っ撥ねられた。
無理もない。私がスマホを手に取ると、間違いなく「M」のアイコンをタップしてしまう。そうすれば、折角やり始めたネットデトックスも意味をなさなくなる。
MTG-roomに手を出し、MTGによってメンタルは崩壊。
「依存症を治そうというのなら、スマホのない生活をするはどうか?」
医師はそう言った。
この言葉に私は、震える程の嫌悪感を覚えた。
しかし、レンはそこに賛同した。正直言えば、私の感情はさしずめ「蹴り入れたろか」と言ったところだったが。
元々レンは、私がMTGに手を染めているのを好ましく思っていない。もっと言うなら、不快感を顕にする事さえあった。そんな時、その視線が辛かった。
―辞めるにはいい機会かも。
「ほな俺、仕事行くわな」
「うん。頑張って」
レンは出かけて行った。
私は体調不良という名目で、仕事についてはドクターストップ状態。あのクソ相方の岸本聡美の顔を見る事もない。
病欠と言えば、ネックは収入減。そして…、
暇! 暇だ! 暇やないかーい!!
こうしている間にバイトでも出来ればいいのだけど。
「病欠中かぁ。どこも雇ってくれへんわなぁ」
そう呟きながら、探す。探す。探す。そして探す。
ここは私の部屋だ。隅から隅まで分かる。探せばきっと見つかるはず。
バイトを探すのではなく、その対象は言うまでもない。そしてやっぱり変な所に隠されたそれを、程なく見つけた。
まぁ、何と下手な隠し方だろう。
「ほぉら、こんなとこに…え? ええ?」
驚愕だ。
やっと見つけた私のスマホ。画面にはシールが貼られていて、しかも格子状にカットされている。全部剥がすのに、どれだけの労力が必要なのだろう。寧ろこれなら、敢えて隠す必要もなかったと言えそうだ。
「あの野郎…」
電話だけは受ける事が出来るよう、必要部分にはシールは貼られていない。会社、実家、レン、果ては範子だって、かけてくれれば受ける事は出来るのだ。
とりあえず暇なので、シール剥がしに時間を費やす事にしよう。
「うわ…紙のシールやん」
一画5ミリ程度。そして、粘着部分を残して紙のみがめくれていく。よくこんな事が出来たものだ。そして1枚剥がした時、さらに驚愕する。
「2重かいっ!!」
―確かこの辺に。
MTGのアイコンの位置は、指が覚えている。その辺りから剥がせば…ヒヒヒッ!
「はいご苦労様」
「え?」
「ただいま」
「レンーーーーー!!!」
「こうでもしやな、ミンミンまたMTGやるやろ? デトックスやで。デトックス。それとな、アイコンだけ見えても画面見えやんかったら、なぁ〜んにも出来ひんで」
「あ…、このクソ男」
「それ! 『クソ』も禁止。ましてや俺に言うとは言語道断」
「レンも悪人か?」
「鬼て言うてくれ。ミンミンが社会復帰出来るまで、俺は鬼にならなあかんねや」
そう…そうなのね。ごめんね、レン。そしてありがとう。
何だか目頭が熱くなってきた。私のために心を鬼にして取り組んでくれているんだ。
ああ…治さなきゃ。マジで。
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