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それはひとつのスレッドから始まった[5]

 大型ショッピングモールを、隅から隅まで見逃さないように歩く。

 例えば衣料品ブランドショップはもちろん、雑貨店であっても衣料品を扱うショップは在る。

 意外とそんなショップの服が魅力的だったりもする。


「この色ならミストブルーが近いかな」


 SNSに上がった写真なので、見え方には注意したい。

 そんな時は、同じ形の服を思い浮かべて、好きな色をイメージしてみる。


「これ! うん、これやわ!」


 yo-ko0713氏と同じ物が欲しい訳ではなく、それに近いスタイルが好みなだけだ。

 そんな目線で見ると、目の前のハンガーに吊されたニットは有り余る程の魅力を放っている。

 買わない手はない!

 多少予算オーバーだったとしても!


 このニットを鷲掴みし、レジへ直行する。

 私の前に3名の買い物客が並んでいるが、その内の1人もこのニットの色違いを手にしていた。

 滑り込みセーフだ。


 もう誰にも譲らない。

 yo-ko0713氏のようにキラキラ輝く映え写真をMTGに投稿するのだ。

 氏のような反響は得られないかもしれないが、明日レンに会うため、丁寧に化粧をし、華やかに着飾る。

 映えるチャンスだ!


 自宅に帰ると、もういても立ってもいられない。早速試着してみる。

 明るいブルーを基調にグレーとピンクのグラデーション。その色味をより華やかに大人可愛く魅せるラメが、全体に散りばめられている。


 私の標準サイズよりワンサイズ大きかったが、ルーズフィットとして考えれば許容範囲内。むしろこの方が可愛く見えるかもしれない。


 合わせるボトムスは、ブルーかインディゴブルーのデニムスカートで決まり。

 同系色で濃淡付けるのだけど、ピンク系へと変化するグラデーションが効果的な差し色になっている。


 良いやん!!

 自然と笑顔が溢れそうな感じ。


 明日の服装をシミュレーションしながら、ふと思い出したようにMTGを開いてみた。

 yo-ko0713氏に対する反響はいかに?


O-moricha-han:

「別にこの人が何着ようがどうでもいいけどさ

面倒くさいんだよ

フォローしてる訳でもないのに表示されるのってなんなん?」


「うわっ! 此奴の方が面倒くさっ!!」


 思わず毒吐いてしまった。

 yo-ko0713氏へレスポンスしたから、関連性をAIが判断して表示してしまったのだろう。


 それにしてもこのO-moricha-hanなる人物、わざわざyo-ko0713氏の投稿にリプライを送っておいて、さらにその投稿を引用してまでアンチスレッドを立てているではないか。

 どうでもいいのなら、こんなスレッドも必要ないはず。きっと炎上を狙っているんだろう。

 それこそ何なん?


yo-ko0713:

「>O-moricha-han 私のスレがお気に召さないのは承知していますが、アンチリプいただいただけで充分です。

わざわざ引用までしてディスらないでください」


 やめて!

 こんな奴に何言うても、話なんか通じひんのよ。


 本気でそう思った。

 やり取りするに値しない相手だ。私ならすぐにブロックしてしまいたいと思う。


 だけど私、この案件を、思いのほか冷静に見たのではないか?

 いえ、そんな風に思っただけだ。

 私の指は無意識にレスポンスし、送信ボタンをタップしてしまっていた。

好きな人へのアンチリプ、誰でも「ひと言言ってやりたい」なんて思うところですよね。

送信ボタンをタップして、その後が気になりませんか?

なりますよね?

では、次回をお楽しみに!


アクセスありがとうございます。

更新は、X および Instagram にて告知致します。

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