Battle 2 O-moricha-han [13]
しばらく傍観する事にした。文章力、表現力に乏しい範子が、O-moricha-han相手にどう戦うのか。
たとえ範子の立場が危うくなったとしても、私はしゃしゃり出ようとは思っていない。だってそうじゃない。範子が負けたとしても、それはつまり範子がO-moricha-hanをブロックしたにすぎない事。
その逆も同じ。アカウントが削除されない限り、私からはO-moricha-hanのスレッドやリプライが見える。
つまり、次は私の出番となるのだ。
「お疲れ様でした」
「お疲れ様〜」
仕事が終わり、この瞬間から私を取り巻く時の流れは私だけのものとなる。
「M」の形をしたゲートを潜ると、目の前に二次元のリングが現れる。
ここで繰り広げられるバトルロイヤル。チケットも何も要らない。
そして、その勝負の舞台に範子は居るはずなのだ。
norishio_ikeike:
「> O-moricha-han 買えた人の喜びも考えてくださいね」
範子が上げた狼煙。そのバトルには、多くのギャラリーが集結している。
ギャラリーの数は、どれだけ「いいね」が付いたかで判断出来る。皆、この勝負の行方を必死の思いで見ているのだろう。
O-moricha-han:
「> norishio_ikeike 買えなかった奴はyo-ko0713のスレ見たら悔しい思いするだろ」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han 必死の思いでやっと買えた人があなたのクソリプ見たら悲しい思いするじゃないですか」
O-moricha-han:
「>norishio_ikeike 買えた奴はその時点で勝手に喜んどきゃいいんだよ 余計なスレ立てんなよ」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han 買えなかった人はその時点で諦めなきゃしょうがないんですよ 余計なレスすんなよ」
O-moricha-han:
「>norishio_ikeike 黙ってりゃ喧嘩にもなんねえだろうが」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han 黙ってりゃ喧嘩にもなんねえだろうが」
O-moricha-han:
「>norishio_ikeike 同じ事言うな」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han 反対の意味で言ったまでよ」
O-moricha-han:
「>norishio_ikeike 同じ言葉で言うな」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han 反対の意味で言ったまでよ」
O-moricha-han:
「>norishio_ikeike 言葉は同じだろ」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han 反対の意味で言ったまでよ」
これは!!
完全に範子のペースだ。O-moricha-hanは、すっかり範子が仕掛けた罠に嵌っている。
それにしても、何と巧妙な。そして陰険な!
O-moricha-han:
「>norishio_ikeike やめろ」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han じゃあブロックすればいいじゃない」
O-moricha-hanのレスが止まった。
きっと今、O-moricha-hanは範子をブロックするかどうか思案しているのだろう。
「ブロックしたら負け」
暗黙の中で知らず知らずのうちに作られた、意味不明なルール。しかし、MTG-roomに長く居る者程、変な意地を張る。負けたくない意識が先行し、自らを攻め立て、やがて自信を破壊する。
O-moricha-hanのレスポンスがない中で、さらに範子は口撃を仕掛けてきた。
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han ブロックすれば?」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han ブロックすれば?」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han ブロックすれば?」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han ブロックすれば?」
norishio_ikeike:
「>O-moricha-han ブロックすれば?」
うわぁあああ!! 傍観している私が、メンタル潰されそうだ。
何? この陰険さ。やっぱり此奴、友達ちゃうわっ!!
っていうか、私が此奴とバトルする事になったら、どう太刀打ちすればいいの?
その時!!
―BOOM
「ハッ! 範子からのDMやわ」
恐る恐るそのメッセージを開いてみる。
『サクラぁ! ブロックしよったわ。勝った!!』
こ、怖い。此奴とは…マジで闘いたくない。
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