Battle 2 O-moricha-han [12]
「うっあ! また振り出しやん」
範子からのメッセージは、またしても門外に放り出された感をもたらした。
ただ、どうしても確かめたい。確かめねばならないと思う。
ようやく行き着いた、その名に該当する人物。
「フォロー申請…してみるか」
元々Headbookには手を付けていなかった私だけど、大森千夜子なる人物をもう少し追求してみたい。そんな衝動が、私の思考回路を駆け巡る。
―大森千夜子。オオモリチヤはん。
―ぶぶっ! ぶぁははは!
何だこれ、大喜利でもやってんのか?
駄目だ。笑けてきて何も判断出来ない。そんな状態で私は、このオオモリチヤハンに対するフォローリクエストボタンを押してしまった。
様々なリスクが脳裏を埋め尽くす。
もし本当にチャーハンだったとしたら、承認ボタンなど押す事はないだろう。
いや、承認して私とやり取りを始めたとしたら、きっとブロックされる。そうに決まっている。
逆に、もし私がチヤはんから誹謗中傷を受けたなら、そこは私からブロックしてやればいい。
「来た!」
Headbookからの通知が来た。初めてのHeadbookだ。
恐る恐る開いてみる。緊張の一瞬。
『はーい! フォローリクエストありがとうございますぅ♪』
「軽っ!」
早速チヤはんの投稿を拝見してみよう。投稿数が多く、かなりのベテラン?
そりゃそうだろう。千夜子っていう名前からは、バーのママしか思い浮かばない。
「え?…え???」
『顔を見たいって人が多いから、自撮り画像貼りまーす』
そんなキャプションの、この投稿。
学生さん? 背景の建物、どう見ても大学だわ。そして画像のセンターに写ってるその人物は…。
「可愛い! 何? 雲母坂64にでも居そうな感じやん。この子がチヤはん?」
チャはん? 違うだろう。この容姿、この若さなら、「チャコ♡」ぐらいの感じだ。
本当にこんな子が、あのクソリプ送り付けてくるのか?
しかし、周りの男の子達は顔を隠しているけど、小綺麗なジャケット姿。
此奴はお金持ちのボンボンに見えて仕方ない。
もう1人はどうだ? バイクウェアっぽくはないか?
ともすれば、あのリプの訳は何だ? もっとその内容を分析すべきじゃないのか?
そう考えながら、私はまた「M」のアイコンをタップした。
そこには、あるスレッドに目を疑うリプが書き込まれていた。
yo-ko0713:
「このブラウス、TmCに問い合わせたら、もう最終ロット出ちゃったそうよ。買えて良かった!」
O-moricha-han:
「>yo-ko0713 買えなかった人の気持ち考えろよ。お前なんか裸でいいわ」
は、は、裸ぁ!?
かなり極端な発想。ディスるにしても、もう少し考えたらどうなの?
い、いやいやいや…人をディスっては駄目。
目が点になる私をよそに、そこに新たなリプライが書きなさ込まれた。
norishio_ikeike:
「> O-moricha-han 買えた人の喜びも考えてくださいね」
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