Battle 2 O-moricha-han [4]
ちょっとマンネリ化してきた彼氏とのデート。
だけど、お? あのブランドが登場ですよ。
気になる方は、同時連載中の「白い雪のように・・・。」もご覧くださいね!
週末、私の自宅の最寄駅で、レンはわざわざ電車を降りて待ってくれていた。
本当なら、レンが乗っている電車に私が乗り込むはずだったのに、私が寝坊してしまったからだ。
何となく心が疲れている。起きようにも起きられない自分。
慌てても仕方がない。お化粧は普段より念入りにしなければ、疲れが見えてしまう。
何でそんなに疲れる必要があるのだろう。
「ごめ〜ん♡」
「いいよ。どうせお寝坊さんやろ? はっはっは!」
レンへの遅れる旨のメッセージ。
「朝からバタバタしてて、気が付いたら時間なくて…」
ったく、よく言うわ。
バタバタじゃなくてグースカ(何と古い表現だ事)じゃないの。
でも…、
「バレてぇ〜ら! イヤンははははは♡」
「せやから♡は要らんっちゅうねんっ」
―この男…私の♡が見えるのか?
「冗談は置いといて…」
「何が冗談なん?」
「あ」
もう! 私、要らん事ばっか言うとるやんけっ!
予定だった電車から2本遅れで、また三条京阪へ向かう。
レンと一緒に居るのは楽しいが、行き先はマンネリ化してしまっている。少し刺激が欲しい。
「あ、そうそう! 寺町にな、京都だけのブランドがあるねん。行ってみていい?」
「おう。ミンミンのお気に入りやったら、覗いてみようや」
TmC / 寺町カジュアル、通称テラカジ。
私はそこのシャツやワンピースに興味がある。洋服に京都らしさ溢れる“和”のテイストを盛り込んだ、ハイセンスなデザイン。
少数生産、つまり大きなブランドではない。工場は入り組んだ路地の奥にあるそうだが、直営店は寺町通り沿いに1店舗のみ存在している。
これなら、ちょっと刺激を感じる!
メインストリートとなる新京極から1本西のアーケード。数件の古着屋の並びで、ひときわ華やかで優しげな佇まいのショップ。
そこに引き込まれるように、私達は入口のドアを開けた。
「うわぁっ! これ! 春の新作!」
美しい。和柄の波をベースに、笠松模様をベストな位置に配した、涼しげな色合い。
「流水×秋草もありましたよね?」
「ごめんなさぃ。売れてしまいましたぁ」
さすがだ。こんなハイセンスなの、いつまでも店頭に並んでいる訳がない。
すかさず波×笠松を手に取って、試着してみた。
これはMサイズ。ややオーバーサイズめの設定で、私が着ると、ドロップショルダーになる。これが同社のジャストフィットという事になるそうだ。
「これはバンドカラーですね。ラウンドカラーのも…」
「あ、はい。それももぅ売れてしまいましたぁ。ごめんなさぃ」
やっぱり人気あるんだ。ならばこのラスト1着、ゲットしない手はない。
しかもお値段…!
「4800円+消費税で、5040円になります」
「ええっ!? このクオリティで!?」
さすがにレンも驚いた。
もう喜びを隠せない私は、頬が緩みっぱなしだ。次のデートは絶対これ!
レンの私を見つめる目。欲しい物を手に入れた私の満悦の笑みを見て、彼はきっと…うふっ!
あれ? 何だか冷ややか。
「それ、MTGに投稿だけはすんなよ」
あ、言われた。
実はちょっと考えが浮かんだところだったのだが。
投稿、したかった。
奴を、ファッション系アンチ、O-moricha-han を退治するためのスレッドに…。
アクセスありがとうございます。
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