Battle 2 O-moricha-han [3]
「此奴…、でも、勝手に潰れるんちゃう? だってほら、此奴のアンチも多いし」
範子はそう言って呑気に構える。
もちろん私も、最初はそう思った。そう思ったから、仕事の相方である岸本さんに、変人扱いされたのだ。
え? 何か違う?
まぁいいや。
「でもな、範子。オーモリのアンチのリプ見てみ。何か気付くはずやで」
その、何かとは?
範子は、自分のスマホの画面をタップした。
「リプ? コメント欄見たらいいねんな?」
bonbon:
「> O-moricha-han オーモリだっせぇww」
tsuyo-r25:
「>O-moricha-han タヒんでくれ」
「ふぅ〜ん、オーモリのクソリプに誰かがレスしたら、bonbonとtsuyo-r25が同じパターンでディスってる」
「ちゃうやん! 私が岸本さんに変人扱いされてんのは、別にクソリプ関係ないやん」
「へ? 何言うてんの?」
―いや、あのぉ、つい声に出てしまっただけです。はい。
「岸本さんて誰ぇ?」
「職場の人。ごめん。気にせんとって」
私が変人化してるのは、オーモリのせいではない。MTGの荒れ方そのものが美味しすぎて、仕事中でも含み笑いしてしまうからだ。
そんな私の様子を見て、あの岸本聡美という女もまた腹の中で笑っているに決まっているのだ。
で、場を繕うために、私の見解を述べてみる。
「そやろ? 此奴らは、たぶんオーモリのアンチちゃうと思うねん」
つまり、O-moricha-hanが誰かのリプでディスられた時、bonbonとtsuyo-r25がこの定型リプを送る事で、それ以上の炎上がなくなる仕組みだ。
「此奴らにリプ送らせへんようにせんと、そこで話が終わってしまう」
「リプを送らせへんようにするか、此奴らそっちのけで論破に持ち込むか…」
難しい。此奴らがグルであるなら、此奴らも叩かなければならない。出来るのか? そんな事。
「オーモリは女?」
「たぶん」
O-moricha-hanは、その多くが女性に対するレスポンス。リプライの内容だって、女性蔑視とは言えない言葉でディスってくる。
仮に男であるとしたら、きっと自分を強く偉く見せようとして、女性蔑視であるかのようなリプをするだろう。
オーモリは、そうじゃない。
「もしかしたら、嫉妬心と承認欲求なのかもしれんなぁ」
「オーモリ自身が巨漢女…ぷぷっ…なのかも…ぷぷぷっ」
「ちょっとサクラ、何笑ってんの!?」
―巨漢女だって! ぶゎあっはっは
「な、何でもない。私らがここで作戦会議してる間、オーモリはどんなピーしてんのかなぁ思たら、めっちゃ笑けてきた。それだけ」
「そんな事言うてぇ。彼奴らも作戦会議してるかもしれんやん」
範子の返に、フッと真剣な表情に戻る。
そうだ。ふざけている場合ではないのだ。今は作戦会議中なのだから。
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