Battle1 s_n_boy [6]
思わぬ所で会ったレンと、予定外だったデートへ。
こんな時、いつも思う。
―何やってんねやろ? 毎日毎日こんなにイライラして。
「どした?」
「え? うん、えへへ…」
少し笑って、レンの左腕を強く抱きしめた。ガッシリした筋肉に頼もしさを感じ、そのまま体を…、
くっ付けた♡
初めてレンに恋した日の事を思い出した。私はこの腕や胸板を見て、この人なら守ってくれそうだと思った。だから好きになった。
もちろんそれだけではなく、彼の優しさは何度も私の心を打ったし、そして、この顔…ウフッ♡
ここ数日、MTGばっかり頭にあって、レンには本当に失礼な事をしていたと思う。
デートの時でさえ、他人のスレッドやそれに対するレスポンスが気になって仕方なかった。
それ故に大切な時間を蔑ろにしてしまっていた。
今こそ、その時を取り戻さなきゃ。
「コーヒー飲んだんやろ? カフェじゃないな」
「河原歩くだけでもいい…」
私達は、何となく南へ向けて歩き出した。
柔らかな午後の日差しが、体ばかりか心まで温めてくれる。
道の両脇で、青々とした草が背を伸ばして揺れている。
少し霞んで白っぽい空も、季節を感じさせてくれるものだ。
「レン、ごめんね。帰るつもりやったんちゃうの?」
「いや、別に…。帰っても暇やったし、最近…」
最近何?
言わんとしている事は、よく分かる。
レンはそのまま口篭ったけど、3件のメッセージを見逃している事から、「最近」の後に続くのは、「会う機会も少なくなってきた」ってとこだろう。
それは弁解の余地もない。しばらく会ってなかったのは事実だし、メッセージも開いていなかったのも事実。
私はあの日のデートで完全にレンを怒らせてしまったと思っていた。だから、私から「会いたい」とも言い出しにくかった。
「最近……?」
恐る恐る、レンの言う最近について問いかけてみた。
あとで思えば、よくそんな大それた問いかけが出来たものだが、知らないまま居ても心がモヤモヤするだけだ。
「最近……」
もちろんレンだって言いにくいに違いない。だって、そのあとのひと言で、今日のこれからの行動が左右されるのだから。
もしそのひと言で私を傷付けてしまうかもしれないと思っているのなら…。
ンな大層な…。
でも、果たして私が傷付くのだろうか。
私じゃなく、レンが傷付くの?
あれ?
「え?」
「レン?」
「うん…」
―ぐすん。
「な、泣いとんのかいっ!」
「だって…会えんくて…淋しかったんやもぉん」
「は、は、は、恥ずかしいから…、泣かんとって」
「俺、ミンミンが思てるより繊細で淋しがりなんやて」
確かに。
想像以上に繊細やわ。ヤヴァイぐらいに。
ふと、私の心の奥で悪意が目覚めた。
レンのこの瞬間…晒してやったらどんなレスが来る?
―yozakuraminmin: しばらく会えんかった言うて号泣する彼、なんなん?
あかんあかん! 大切な彼氏やのに…。
人って分からないものですね 笑。
それにしてもミンミン…
腹、黒すぎ…。
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