固定アンチ!?[9]
第2話「固定アンチ!?」最終部分になります。
tk.walker :
「俺ん家の界隈でさあ
夕刊配ってる爺さんが
交差点毎にホーン鳴らしていくんだけど
コレって違反だよね?
ホントうるさいからやめて欲しい」
tk.walker氏の新着スレッドだ。
範子は怪訝そうな目で私を見る。
「サクラ…こんなスレでも炎上するん?」
範子はMTG-room炎上初心者と見られる。
このスレッド、悪意ある連中からすれば、ネタ満載だ。
s_n_boy:
「>tk.walker そうだね うるさいね
何が言いたいの? 老害って事?」
早速s_n_boyがレスポンスする。
そこに追随するかのように、他の連中もリプライする。
nyanko222:
「>tk.walker あなたのその改行ウザイです」
本題から外れたアンチリプだ。
police-man:
「>tk.walker 引っ越せばいいんじゃないですか?」
これは極論をぶつけている。
「何これぇ!?」
範子はめちゃくちゃに驚いた。
当たり前のような事に、強烈に噛み付くアンチ達。
そのコメントも、ただスレッドの内容を否定するだけでなく、見ているだけでかなりイラッとするものもある。
「何でこの人が引っ越すの?」
「理不尽やろ? それがMTGねん」
範子は呆然としていた。
例えばこのリプライが、スレ主に対して本気で「引っ越しせよ」と言っていない場合でも、文面を見る側にとってはその真意が分からない。
仮に本気ではなく炎上目的で“嫌らしい”発言をしたとしても、それはそれでめちゃくちゃに性格が悪いと思う。
人を不快にさせているには変わりないのだ。
「サクラ…、そ、その、その人、不快感与えるためにわざわざこんなレスを?」
「たぶんね。本気で引っ越ししろなんて思てへんやろうし、そやかて同意するような感じなんて1ミリもないやん」
「怖…」
範子はただでも大きな目を、さらにまん丸く見開いた。
そしてその目は徐々に細くなり、目尻が吊り上がってきているのを、私は見た。
範子と目が合った。
「闘う?」
言葉もなく頷く範子の眼光は、かつてないほどに鋭く空気を切り裂く。
元々頭の良い女だ。
本格的にアンチと戦うのなら、この女からどんな言葉が飛び出すのか見ものだ。
「範子な、固定アンチ、すぐに付くと思うで。耐えていける?」
何でSNSでここまで気合を入れなければならないんだろう。
楽しくやれば良いんじゃないの?
でも、それがままならないのがMTGの実態だ。
ここにスレッドを書き込むのなら、それは宣戦布告を意味する。
え? 何だそれ?
意味わかんねー!!
だけど……、
面白くなってきたじゃないか。
―おーっほっほっほ!!
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