表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/71

固定アンチ!?[5]

同級生・池山範子への相談話。

今の美優は、どう捉えていくんだろう?

「病気ちゃうの? ネット依存症みたいな…」


 病気だって? 何て事を言い出すやら。余計なお世話だ。


 ああ、何という事だろう。彼氏即ちレンに関わる話題には、少々面倒臭さを感じたのも事実。だけど、そこを発端に範子までをも、MTG-roomの中に蔓延する“悪”のように思ってしまった。


 病気。言われてみれば、確かに病気なのかもしれない。


「サクラ…、冗談は抜きで、悩んでるんやったら聞くで。答は…」


 出ないかもしれない。いや、出ないだろう。

 私自身が前向きにならなければ、どう対処すべきかなんて考える事も出来ない。

 きっと範子のアドバイスにも否定的になり、挙句見放されるんだ。


「私なぁ…」


 それなのに、私は何を言おうとしている?


「退治したいねん。アンチコメばっか書き込んでる奴らを」


 これを聞いた範子の顔が、悲しげに歪む。


「退治って…関わらへん方が良くない? 1人退治しても、また何処からか湧いてくるって」

「謝らしてやりたいの」

「そんなん無駄やわ…」

「やりもせん内から、何で無駄って言えるの?」


 いや、どう考えても無駄な行為。

 分かってるのに、私の言葉は気持ちとは裏腹に、どんどん攻撃度を増していく。


「彼奴らのひと言で傷付く人が、どれだけ居ると思う? 言われのない悪口言われたりとか、スレの意味を勝手に履き違えてネチネチと批判してきたりとか」


 そんな事で苦しめられる人達。理不尽に傷付く人達か、ネット上には巨万(ごまん)と居る。


「でもサクラのそのひと言が火種になって、もっと酷く傷付く人もいるかもしれへん。そこは意識してるの?」

「私は善人に対して悪口は言うてへんわ!」

「そうじゃなくて…」


 もうお話にならない。

 攻撃性の芽生えた私を宥めようと必死な範子が、逆にウザくなってくる。

 本当は範子が悪いのではなく、寧ろ親身になって相談に乗ってくれているというのに。


 病気だ。

 これは病気なんだ。

 分かってるのに、言葉はあらぬ方向へと加速度を増していく。


 ごめん、範子。

 そう思いながらも、とうとう禄でもないひと言が喉の奥から漏れてしまった。


「ウザいわ! もう相談なんかせぇへんわっ!!」


 しばし間を置いて、範子は静かに声を発した。


「疎遠やったアンタになぁ、いきなり人生相談されて…それでも一生懸命考えたってるねん。アンタ、私を何や思てるの!?」


 範子の反撃。

 それは、道理にかなっている。彼女の言う意味は、痛い程に分かる。

 私はこの友人をわざわざ呼び出し、相談と見せかけた持論の押し付けをしている。

 彼女の意見など聞く由もなく。


「書き込むつもりやな? スレ、立てるんやろ? MTGに」

「書き込む訳ないやん。何でわざわざ炎上ネタを?」


 書き込む訳がないだろう。そうは思っていても、私の悪意は余計な言葉を垂れ流す。


「じゃあ私がスレ立てるわ」

「そんな事したら、サクラが炎上するで」

「そうね。上等やわ。そこでアンチやっつけてやるから」

「私の言動も炎上するやん。それだけは勘弁して欲しいわ」


 これだ。結局のところ、範子も自分が一番可愛いのだ。


「擁護してあげる」

「意味分からへん」

アクセスありがとうございます。

更新は、X および Instagram にて告知致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ