表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/72

固定アンチ!?[4]

「何か悩んでるんちゃうの?」


 範子は既に察知しているようだ。だけど、きっとそれは少し違う。


「叩かれてるんやろ?」

「違う…」

「じゃあ何? 折角会えたんやから、全部言うていいのよ」


 繁華街を、ショーウィンドウを眺めながら歩く。

 ファストファッションの大手量販店でさえ、マネキンが纏う衣服のコーディネートは素晴らしい。


「私な、彼氏が居るんやけど…」

「ええっ!? いやぁ〜、いいやん。どんな人? どこで知り合ったの? どうやって知り合ったん? どっちから付き合おうって言うたん?」


 まだ何も答えてないのに、幾つも質問が連発してくる。

 だけど、今日はレンとの交際について話したい訳じゃない。レンには訊けないし、ましてや職場の連中に話したらどんな展開になるのか。考えただけでも恐ろしい。だから少し距離のある範子を呼び出したのだ。


「範子、話聞いて」

「はいっ! 聞くで。話してみて」


 私のひと言に、範子は急に畏まる。

 そうなると余計に話しにくくなる。

 久しぶりに会ったけど、この女、扱いにくくなってやがる。



「なるほどぉ」


 何と軽い事か。

 範子の口調は、さも喜んでいるかのように軽快そのものだ。


 兎に角私は、レンから言われた「やめれば?」と、今さっき範子が言った「お勧め出来ない」を受けて、それでもやめたくない自分に苛立ちながら、繰り返し無駄に言葉を発し続けている。

 そんな自分が見えず、相談しようと思ったのだけど。


 じゃあ、求めてる答は何?

 答は2人から既に出されているじゃない。

 結局何? 私って、人の意見を求めながら何も受け入れずに、ただ自分を肯定したいだけなの?


「でね、サクラ。そのレン君ってどんな人? イケメン? どこで知り合ったの? 言うてよぉ。優しい?」


 何なんだ此奴。


「それ聞いてどうすんの?」

「いやっ! 冷たいなぁ。どうするとかそんなんじゃなくて、サクラの彼氏がどんな人か知りたいだけよ」


 だから知ってどうすんの!?


「もしサクラがMTGで他人を誹謗中傷するようなコメントしてたりしたら、レン君って嫌がらへん?」


 嫌がるに決まってるやん。だからやめろって言われてんの。


「ところで範子。“レン君”って、もう友達みたいに言うてる」

「友達みたいなもんやん。サクラの彼氏なんやし。そうかぁ、奪っちゃおっかなぁ、ふふふっ」


 これが本音?


「範子…MTG向きやな」

「は、はあっ???」


 喧嘩する訳ではないけど、お互い言葉を失った。

 ジョークのつもりで言ったのに、お互いが黙り込んでしまった。


 やっちまったか、私?

 凄く寒い空気が流れてる。

 どうしよう。どうしたらいい?

 私、この場をどう取り繕えばいいの?


 恐る恐る目を範子に向けてみる。

 鼓動が激しくなっているのを感じ取る。

 焦点の定まらない範子の目。若干血の気の薄くなった頬。


 まさかMTGの中に、既に居る?

 私のアカウントに辿り着いているの?

 誰?

 女と判別できるそれなら、yo-ko0713だな。彼女なら、今範子が纏っているようなファッションじゃない。

 違う。


 じゃあ男とも女とも分からないハンネ(ハンドルネーム)だとしたら?


 tk.walker

 bonbon

 konoha075@yokohama


 もしかしたら、O-moricha-hanだって女かもしれない。

 女をターゲットにしてたって、そいつが男とは限らない。


 そう考え始めると、男と見られるハンネを使っていても、実は女かもしれない場合だってあるんだ。


 ふと我に返ると、そこには私の顔を心配そうに覗き込む範子が居た。


「サクラ…、貴女、もしかして病気?」

さてさて、何か起こりそうな展開になってきましたよ。

友達面する美優のブラックな部分も、かなり見えてきていますね。


アクセスありがとうございます。

更新は、X および Instagram にて告知致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ