固定アンチ!?[3]
美優の同級生登場。
おや? あの物語のあのメンバー達が話題に?
「サクラぁ、どうしたん? 急に会いたい言うて」
池山範子。私の高校生の頃からの友達だ。
高校生の頃は、本当によく遊んだし勉強も一緒にやった。彼女は私を「サクラ」と呼ぶ。決して呼び捨てじゃなく、春の花“桜”とかけてそう呼んでくれている。
彼女とは、お互いが就職してからしばらく疎遠になってしまっていたが、連絡先だけは交換していた。
「い、いえ、なんかフッと思い出して…」
少し誤魔化すように言って、駅前のカフェに向かって歩き出す。
ふと私は、妙な事を思い出した。
「ここってな、私らの高校の先輩が補導されたとこやんね」
何? この重い話は。私はそんな事言うために範子に会いたかったんじゃない。
範子の表情は、困ったようにも見える。
「あ、そやね。でもその人、同級生と結婚したやん。結果幸せよね」
範子はポジティブだ。そして情報通だ。
「その結婚相手の人、バンドやってて、配信したりCD出したり頑張ってるんやって」
「知ってるよ。ガチなハードロックやけど、ヴォーカルの人は女の子やったっけ?」
「違うよぉ! 見た目可愛いけど」
「じゃあ女装?」
―えっ!? 何言ってんの、私。
それ以上追求すれば…いや、この時既に、LGBTQ+に対する偏見の言葉が出始めている。
何かの影響? 私は偏見など持っておらず、寧ろ応援したい人なはずなのに。
見た。確かに見た事がある。この手の投稿と、誹謗中傷まがいのコメントの数々。
許せないと思った。人の心を何だと思ってるんだ!? それなのに、この腹立たしいアンチコメの数々が脳裏に残り、そんな言葉が思わず溢れ出た。
これも、あの忌まわしいSNSが災いしているのか?
「MTG-roomやわ」
「MTG-room?」
範子には、私の呟きの意味が分からない。分かる訳がない。そのはずだ。
だけど口から漏れた言葉を、範子は確かに聞いた。
気が焦る。どう取り繕えば、上手く誤魔化せるのか。
「SNS」
「知ってる。いちいち炎上するって有名やんね。それがどうかしたの?」
範子は、質問に答えあぐねている私の目を見て、ほんの少しだけ間を置いて言った。
「サクラ…まさか、あれ、やってるの?」
やっている。それは事実なのに、首を縦に振る事が出来ずにいる。
範子は私を気遣う。
「別にやってるのがダメ言うてるんちゃうよ。楽しめてたらそれでいいし。ただ、もしサクラも叩かれたりしてるんやったら、私はこれ以上続ける事はお勧め出来ひんかなぁ」
範子もレンと同じ目線でMTGを見て、同じ印象を受け、同じように退会を促す。
そんなSNSに、何故私はしがみついているのだろう。
炎上などとは無縁でスレッドやレスポンスを楽しむ人もいる。いや、どちらかと言えばその方が多いはず。
だけど炎上する人は何かにつけて炎上するし、炎上させようとする連中はというと、数多あるスレッドから炎上させやすいものを見つけ出すアンテナを張り巡らせている。
私は、ただyo-ko0713氏などのように素敵なファッションを発信している人をフォローし、自分自身のファッションの参考にしたいだけだ。
なのに私は今、炎上組の中の一員になり、yo-ko0713氏までをも炎上組に引き込んでしまっているのだ。
SNSの影響は、普段の言動にまで及びます。
好きな人や尊敬する人の事だって、言葉を選べずに悪口にも似た喩えをしてみたり。
盲点ですね。気を付けたいですね。
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