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第9話 クエスト その3 更に神聖なる光

 柔らかな光に包まれていた。

 

 温かい日差しの差し込む太陽の下で、柔らかなベッドの上に寝転んでいるような。

 意識と無意識のはざま。まどろみの中に存在する心地の良い感覚。


「っ! ハッ!? これはっ! グルッヘの味!」

 

 少し前にも同じような状況を味わったオレは、それを思い出して飛び起きた。

 グルッヘの味ってなんだよ気持ちわりぃ。

 

 周りを見回すと、ここはなんだ? 背の高い建物に椅子が均等に並んでいる。

 教会か、礼拝堂のような。

 

「あに゛ぃぃ~~……いぎがえっだぁぁ~~……」

 

 オレの腹の上になっちゃんが頭を擦り付けていた。

 

「アニキ。おはようござっス!」

 

 そして、オレが頭を預けていた場所には、やはりモヒカンの膝枕があった。

 

「既視感ヤバッッ!」

 

 まあ、既視感どころか数時間前にも同じ状況があったのだが。

 

「いつでも教会に来て下さいとは言いましたっスけど。まさか二時間ちょっとでまた半殺しリザレクションを使うとは思わなかったっスよ」

 

 ちょっとまって?

 

「え? なにもう一回言って?」 

「いつでも教会に来て下さいとは言いましたっスけど」 

「そういうのいいから。もっと後ろ」 

「半殺しリザレクションっスか?」 

「それどういう効果? ネーミングやばない?」 

「そっスか? 『半殺し状態からリザレクションする』魔法っス!」 

「そのまま!!」

 

 あってるからいいや!


 

「そうか。オレは半殺しにされたのか」 

「何と戦ったんスか? お嬢が泣きながらアニキ抱えてきて、ジブンのアルコールも完全にぶっ飛びましたスよ」

 

 ちなみにお嬢様抱っこだったっス! と付け加えるグルッヘ。

 やめて! 恥ずかしい!

 

「……いや。シカと……」

 

 野菜泥棒のシカに半殺されたなんてとても言えない。

 

「シカ。あ~……。もしかして怒ると赤い瞳になるシカすか?」

 

 ああ。と返事すると。なるほどと言った風なグルッヘ。

 

「マッシカーンすね。普段はこの辺りだとあまり見ないスけど。そういえば依頼出てたっスね」

 

 シカの名前もやばばじゃん。お前がつけたのか? そうだよな? 違うのなら、オレのこの世界のネーミングセンスへの信頼が揺らぐぞ?

 

「見つからない様に近寄って目隠しして捕獲するか、一息で絶命させれば問題ないんスけど。敵対されて筋肉隆起まで許すとCランクぐらいの力あるんスよ」

 

 それでも、お嬢のパワーなら全然問題ないと思うスけど。とはグルッヘ。

 

「ちなみにあいつ雑食ス。腹が膨れてる状態で良かったっスね!」

 

 ……お前、笑顔でほんっとーにおっそろしいこと言うのな。




「そういえば、地面に植わってたなっちゃんは、あの後どうしたんだ?」

 

 床にお尻をつけたまま、教会の椅子に頭を預けて突っ伏しているなっちゃんに声を掛ける。

 

「んにぃぃい~~~」

 

 良く解らない声をあげながら立ち上がるなっちゃん。

 

「アタマ引っこ抜いたら、あにが丁度ぶっとばされたところだったー」

 

 割といい音が鳴ってた。自動車事故ってあんな感じの音かもしれない。とはなっちゃんの談。

 アレだけ巨大なシカに体当たりを食らえば、なるほど、それぐらいの音がするのかもしれない。

 それでオレは意識を失ってしまったのだろう。

 

「割とまじでヤババな雰囲気したから、ダッシュで近づいたら。こけた」

 

 こけた?

 

「転んだ拍子にシカにぶつかった。シカが埋まったから、あにをお姫様抱っこして逃げてきた」

 

 ぎゃー!

 

「実の兄をお姫様抱っこするとかいう貴重な体験をありがとうございました。くへへ。新しいトビラ、開いちゃうかも……」

 

 いっそ殺してくれ!



ご覧いただきありがとうございました!


もし読んでいただけて、


 『ま、また気が向いたら、め、目を通してあげなくもないわよ!』


とちょっとでも感じて頂けたら、評価を頂けたりブックマーク頂けると、

筆者はそれはたいそう大喜びします!


次を書く際の活力にさせて頂きます……! あなたの評価で救われる命があります!


では、次回更新(週二回 水・日更新を予定!)をお待ちいただけると幸いです!


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