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最強転生者が神になるまで  作者: バーチ君
セザール獣王国
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ミレイVSキメラ

 ミレイは湖の中央にいるキメラに向かっていく。キメラの頭には巨大な牛のように角が生え、右手はカマキリの鎌のようになっている。左手にはカエルの手のような水かきがあった。そして、最大の特徴なのが胴体だ。胴体は後ろに長く、尻尾がサソリのような形状をしていた。


ミレイが岸からキメラに向かって炎の魔法をぶつける。



『ファイアーボール』



 キメラの左手が焼けて落ちるが、すぐに再生する。どうやら自己再生能力を持っているようだ。ミレイはすかさず次の魔法を発動する。



『ファイアーアロー』



 上空に無数の光の矢が現れ、一気にキメラに向かって放たれた。湖面から上がる水蒸気で何も見えない。だが、その水蒸気の中からミレイに向かって毒液が飛んできた。ミレイはそれを避けたが、ミレイのいた場所は緑色に変色して溶けている。さらにキメラは湖の中央から一気に岸に近づき、ミレイに右手の鎌を振り下ろした。



「ミレイ! 上だ!」



 オレの声でミレイは咄嗟に剣を上に挙げて鎌を防いだ。キメラはなかなか手ごわい。オレが手助けしようかと迷っていると、ミレイが声をかけてきた。



「ケン。手出し無用にゃ。」


「分かったよ。」



 ミレイがオレにウインクして再びキメラに向かっていく。今度は剣に炎の魔法を付与して切りかかったが、右手の鎌で防がれる。だが、ミレイの剣からめらめらと大きな炎が現れ、その炎は先ほど見せた竜へと変化していった。



『ファイアードラゴン』



 竜は大きな口を開けてキメラに襲い掛かる。キメラが左右の手でそれを避けようとするが、竜の大きな口にキメラ自体が飲み込まれた。そして、再び立ち込める水蒸気の中に光る水晶のようなものが見えた。恐らくキメラの核だ。ミレイは核に向かってジャンプした。だが、キメラのサソリのような形をした尾が鋭い毒針を出しミレイに襲い掛かった。



「ミレ—————イ!!!」



 霧が晴れると、全身が毒液だらけになったミレイが、核を手に持ったまま倒れていた。オレはすぐにミレイに駆け寄り魔法をかけた。



『リカバリー』



 すると、毒液を浴びて瀕死の状態だったミレイがオレの膝枕でニコリと笑った。



「ミレイ! あまり無茶はするなよな。」


「ケン。僕は生きてるにゃ?」


「当たり前だ! オレの目の前で大切な仲間を死なせるわけがないだろう。」


「良かったにゃ。でも、そこは『大切な仲間』じゃにゃくて、『大切な人』って言いて欲しかったにゃ。」


「ミレイ。お前はオレにとって大切な人だよ。」


「初めて言ってくれたにゃ。」



 ミレイの目から涙が流れた。すでに、周りにはミサキ、ローザ、ドリエが集まっていた。みんなの目からも涙が零れた。



「ミレイ! 心配したんだからね!」


「ミレイ姉! ずるい! ケン兄を独り占めしてる!」



 すると、ドリエが笑いながら言った。



「ローザちゃん。今日ぐらいはいいんじゃないの。ミレイさんはいつもみんなに遠慮してたから。」



 確かにそうだ。ドリエに言われて初めて気づいた。口ではいろいろ言っていたが、ミレイはローザやミサキ、ドリエが仲間になってから、オレと手を繋ごうとしなくなった。それまでは2人で同じベッドに寝ていたのに、積極的にオレのベッドに入ってこなくなっていた。



「ミレイ! お前、遠慮しすぎなんだよ。もっと自分を出していいんだからな。」



 オレはミレイを起こして力強く抱きしめた。オレには見えないが、ミレイは恐らく赤い顔をして泣いているだろう。



「さて、キメラの討伐も終わったことだし、ベンガルさん達のところに帰ろうか?」


「分かったにゃ!」



 オレはミレイを背負った。背中にミレイの大きな胸の感触を感じた。2人だけだった時を懐かしく思いながら、転移でベンガルさん達のいる場所まで戻った。



「ケンさん。ミレイは怪我をしたんですか?」


「いいえ。キメラはミレイが一人で討伐しましたよ。ミレイは疲れて眠ってしまってますけど。」


「そう。この子がキメラを・・・・」


「ソマリ。ミレイは強くなったんだ。多分、私達が想像している以上に苦労したんだろうな。起きたら褒めてやらないとな。」


「はい。あなた。」



 その日は亜空間の家に泊まって、翌日、猫耳族のみんなと元の村に戻った。ミレイの家も他の家もそのままだった。だが、しばらく住んでいなかったために埃だらけだ。そこで、オレは村全体に魔法を使った。



『オールリニューアル』



 久しぶりに使う魔法だ。どの家も新築同然にきれいになり、村人達は目を丸くして驚いている。すると、村長のコラットさんがお礼を言って来た。



「あなた方のお陰で、再び村で暮らせるようになりました。ありがとうございました。」


「この村はミレイの故郷ですから。」



 ミレイがもじもじと照れくさそうにしていた。



「お父さん。お母さん。また、帰って来るにゃ。」


「元気でいるんだぞ!」


「ケンさんに幸せにしてもらいなさいよ!」



 なにか、ソマリさんが気になることを言っていたが、聞こえないふりをした。



「さあ、みんな行こうか?」


「了解にゃ。」



 オレ達はミレイの故郷を後にして、セザール獣王国の王都を目指すことにした。セザール獣王国の王都にオーブの反応があるからだ。


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