魔鉱石を求めて
ドワーフ族の村に行く途中で偶然ドワーフ族達と出会った。名前をダンタンというようだ。オレ達はダンタンに案内されて、村まで辿り着くことができた。そして、村長にあいさつしようとやって来た。お城ほどではないが、他の家より一回り大きい。
「ちょっとここで待ってな。」
ダンタンが中に入って行った。そして、しばらくして戻って来た。
「中に入っていいぞ!」
中に入ると、様々な武器が壁にかけてある。大剣、細剣、大斧、小刀なんかがあった。どれもすごくいい出来だ。一番広い部屋に行くと、白いひげを生やしたドワーフがいた。
「ドルトンの紹介できたというのはお前達か?」
「はい。そうですが。この手紙を預かってきました。」
オレはドルトンから預かった手紙を渡した。
「そうか。お主はケンというのか。どうやらわが不肖の息子のドルトンが世話になったようだな。」
「ドルトンさんは村長さんの息子さんなんですか?」
「ああ、そうだ。ただ、わしは村長ではない。村長はこのダンタンだ。わしは族長のデンテンだ。」
「そうだったんですか。すみません。」
「いいや、構わんよ。それより、今夜はケン殿達の歓迎会を開こうかのう。」
「おやじ、みんなに行ってくるぜ!」
ダンタンは走って家を飛び出した。ドルトンで知っていたが、どうやら、ドワーフ族はみんな酒が好きなようだ。
「ミレイ、ミサキ、ローザ。わかってるよな。絶対に飲むなよ!」
「わかってるにゃ!」
街を歩くと、エルフの街と違って店がある。野菜を売っている店や肉を売っている店、金物店兼武器屋などがあった。オレ達は武器屋を覗くことにした。
「お前さんたちかい? ドルトンの恩人っていうのは?」
「別に恩人ではないですけどね。友人ですよ。」
「そうかい? あいつほどの剣はないだろうが、ゆっくりと見て行ってくれ。」
ドワーフ族は謙虚な種族なのだろうか。オレに言わせればどの剣も超一流だ。
「おじさん。この剣はどうして光ってるの?」
ミサキが光る剣を見て不思議に思ったのだろう。質問した。
「それの剣はミスリルと魔鉱石から作ったからな。特殊な剣だ。」
「魔鉱石を混ぜると何が違うの?」
「切れ味が良くなるだけじゃなくてな。魔法の伝導率が良くなるんだ。」
ここで、オレが付け足した。
「多分、この剣だと魔法を付与した時の威力が10倍ぐらいにはなるかな。」
「10倍? 凄いじゃない。ケン! 私、この剣が欲しい! お願~い!」
ミサキが上目遣いで甘い声で言ってきた。ミレイ、ローザ、ドリエを見ると、弓のローザは無関心のようだが、他の2人も欲しそうな顔をしていた。
「おじさんこの剣を3本欲しいんだけど。」
「1本しかないんだ。ミスリルはあるから、魔鉱石があれば作れるんだがな。」
「なら、オレ達が採ってくるよ。」
「いいのかい?」
「ええ。ところで、どのあたりにあるんですか?」
「あの山の頂上付近さ。」
山の方を見るとかなり高い。するとドリエが言ってきた。
「ケン様。私が竜化しますので、私に乗ってください。」
「僕たちは~?」
「3人はここでお留守番だ!」
「いいわ。我慢する。剣のためだもん。」
オレは竜化したドリエに乗って山の頂上付近まで行くことにした。
「嬉しいです。」
「どうしたの? 急に?」
「ケン様を背中に乗せられて幸せです。」
オレはドリエが愛おしく感じられた。竜化したドリエを見ると、翼の色もつややかだ。オレは思わず翼の付け根辺りを撫でた。すると、ドリエが急にふらつき始め変な声を出した。
「あ~ん!」
「どうしたの? ドリエ!」
「ケン様! 申し訳ありません。翼の付け根には触らないでください。そこはダメなのです。」
ドリエが何を言おうとしているのかすぐにわかった。
「ごめん!」
「いいえ。大丈夫ですから。」
そして、山の頂上付近に舞い降りた。降りるとすぐにドリエがオレの手を握って来た。普段謙虚なドリエはみんなに遠慮しているのだろう。オレはドリエの頭を撫でた。
「ありがとう。ドリエ。助かったよ。」
「ケン様に喜んでもらえれば、私も嬉しいです。」
周りを見ると、採掘した跡が沢山あった。中にはかなり深く掘られている穴もある。
“リン。この辺りに魔鉱石があるかな? 表示してくれる?”
“はい。マスター。”
すると、少し大きめの穴の奥に反応があった。
「この穴の奥にありそうだ。行くよ!」
「はい。」
オレは久しぶりに『ライト』を発動して、穴の中を進んだ。すると、天井からキラキラと光る水晶のようなものが氷柱状になってぶら下がっていた。
「ケン様。あれ、全部魔鉱石ですか?」
「そうだね。必要な分だけ採って行こうか?」
「はい。」
オレ達が魔鉱石を採取して穴から出ると、そこには頭から角を生やし、背中に黒い翼を付けた人型の存在がいた。恐ろしいほどの魔力を秘めている。今までにオレが見たこともないほどの魔力だ。




