エルフの里に向けて再出発
みんなで協力し合ってデザートの食材を手に入れ、デザートを作った。女性陣には大好評だ。ミレイが是非ペルシャさんに食べさせたいと言ってきたので、ペルシャさんの店に行くことになった。
「あら、みんなしてどうしたの?」
「みんなでデザートを作ってみたんで食べてみてもらえますか?」
「いいわよ。ちょっと待っててね。」
ペルシャさんは一旦、厨房の方に入っていった。その間にオレは空間収納から、先ほど作ったバナナパンケーキとフルーツパフェ、それにプリンを用意した。食べたばかりの女性陣が、また食べたそうにしていた。
「ダメだよ。みんな。あまり食べすぎるとお肉がついちゃうよ。」
「わかってるにゃ!」
ペルシャさんが厨房から出てきて驚いている。
「これ、みんなが作ったの?」
「はい。オレの故郷のデザートなんですよ。食べてみてください。」
ペルシャさんはバナナパンケーキを一口食べて目を丸くしている。
「美味しいわ~! この生地どうやって作るの?」
「後で、レシピをお渡ししますので、他のものも食べてみてください。」
今度はフルーツパフェを食べた。その冷たさに驚いたようだが、その後に来る甘美な甘さに感動していた。
「美味しすぎて、私の方がとろけちゃいそうだわ!」
最後のプリンにも感動してくれた。
「これがレシピです。ほとんどの食材が市場で売られていますが、牛乳だけはありませんでした。そこで、郊外の牧場でいただきました。」
「ああ、バローさんね。よく知ってるわよ。」
「なら、牛乳も手に入りますね。」
「ええ、いつもバローさんから買ってるからね。牛乳を飲むと大きくなるのよね!」
ペルシャさんは、ローザとドリエを見ながら自分の大きな胸に手を当てた。
「本当? ペルシャおばさん!」
「ローザ! 迷信だよ!」
「な~んだ!」
オレが否定したことでローザもドリエもがっかりしていた。その後、実際に厨房で同じものを作ってみた。特に問題なく作れそうだが、冷やす作業が難しそうだ。ペルシャさんの魔法属性はミレイと同じ火なのだ。
「冷やすのが大変ですね?」
「それなら大丈夫よ。娘のキャリーが水属性だから。」
「氷魔法も使えるんですか?」
「毎日果実を冷やしてくれてたら、使えるようになったのよね。」
「なら、大丈夫そうですね。」
「ありがとうね。みんな。」
「ペルシャおばさん。また来るにゃ。」
その日は、夕方になったのでオレの亜空間の家に帰ることにした。
「ミレイ。聞きたいんだけど。」
「なんにゃ?」
「ペルシャさんも猫耳族だけど語尾に『にゃ』とか使っていなかったよな~?」
「当たり前にゃ! 小さいころ、この方が可愛いからわざとやってたにゃ! そしたら、こういうしゃべり方になったにゃ。」
「なら、ミレイも普通にしゃべれるのか?」
「もう無理にゃ。小さいころからこのしゃべり方に慣れてるにゃ。」
なんかよくわからないが、猫耳族が全員『にゃ』を使うわけではなさそうだ。
「みんな。明日はこの街を出発するから、今日はもう寝るよ。」
「は~い。」
翌日、オレ達は国境の検問に向けて出発した。検問には大勢の人が並んでいたが、特に問題なく通過することができた。
「最初にローザの故郷のエルフの里に行くけど。」
「ローザちゃん。場所は覚えてる?」
「なんとなくだけど。」
ローザの誘導に従って歩き始める。途中から、街道を外れて細い道に入って行った。道はどんどんと森の中に入って行く。
「ローザ。この道であってるのか?」
「多分ね。私の故郷は森の中にあるから。」
森の中は野生動物がかなり多い。まだ、魔物化していない普通の動物達だ。
“リン。どうして動物が魔物化するんだ?”
“2つ理由があります。1つは魔素を多く吸い込んでしまう場合です。もう1つは魔物に嚙まれたりして、魔物の体液を体に取り入れてしまった場合です。”
“なるほどな。でも、魔素の濃さっていうのはどこも同じじゃないのか?”
“マスター。それは違います。空気と同じで淀みができるのです。それに、魔素には魔素を吸い寄せる働きがありますから、淀みができるとどんどん魔素が濃くなるんです。そうして、魔素だまりが発生するんです。”
“魔素だまりができるとどうなるんだ?”
“魔素だまりからはいろんな魔物が発生します。例えば、スライムやゴブリン、オーク、オーガなど人型の魔物や大型の魔物も発生します。”
“もしかして、魔素が濃いと大型かつ強力な魔物が生まれたりするのか?”
“その通りです。”
“なんか、不思議だな。オレの知識では、生物は進化論に基づいて進化しているものだと思っていたよ。”
“世界が違うので、不思議ではありませんよ。”
そんなことを考えながら歩いていると、霧が出てきた。




