創造神誕生!
オレは元冥府神ハーデスを消滅させた。だが、オレが愛した人々もオレの大好きな世界もすべてが消えてなくなってしまった。
「ご苦労だったな! デウス!」
「はい。ですが、父上の世界が消滅してしまいました。」
すると、最高神エリーヌがオレの肩に手を置いて言った。
「デウス! あなたはこのままでいいの? ミレイ、ミサキ、ローザ、ドリエがこのまま消えたままでいいの?」
「ですが、もうどうにもできません。母上。」
「デウスよ! お前には亜空間を作れる能力を与えておいたな。その世界では、お前が想像したことが現実になるのではないのか?」
「えっ?!」
すると、大天使ナルーシャが姿を現し、オレの手を取って言った。
「マスター! マスターの亜空間でこの世界を復活させたらどうでしょう。」
「そんなことが・・・」
「わしがこの世界を作ったのも同じじゃ。自分の亜空間の中で想像したのじゃ。今のお主にならそれができよう。」
「だけどね。亜空間の中で世界を作るってことは、あなたがその世界の創造神になるってことなの。わかるでしょ?」
「つまり、世界を復活させてもオレはケンには戻れないってことですか?」
「そうよ。だって、あなたは創造神なんですから。」
オレの覚悟は決まっている。彼女達を失っても、彼女達を生き返らせたい。
「わかりました。やってみます。」
オレはナルーシャと亜空間の中に行った。
「ナルーシャ。いつもありがとうな。何万年もの記憶の中でいつもオレの近くに居た存在がいるんだ。時には母として、時には妹として、いつもオレの傍にいてくれたよな。ナルーシャが。」
「デウス様!」
「オレに力を貸してくれるか?」
「はい!!!」
オレとナルーシャは手をつないだ。二人の身体から眩しい光が放たれる。そして、亜空間の景色が一気に変化する。
「終わりましたね。」
「まださ。みんなの記憶を変えなくちゃ。」
オレは人々の記憶を改変した。この世界の最高神はナルーシャだ。そして、『ワールドジャスティス』の4人の少女が魔王ロンバルトを打ち破り、この世界に平和をもたらした。そんな風に記憶を変えた。当然『ケン』という存在はみんなの記憶にはない。
「これで終わったよ。何もかも。」
世界が平和になったことで、世界会議がアルメデス王国の王城の会議室で行われることになった。そこには、各国の首脳と各種族の代表が集まっている。
「では、これより世界会議を始める。その前に、今回の最大の功労者達に『勲章』を渡したいと思うのだが。」
どうやら進行はアルメデス王国のジョナサン国王のようだ。ミレイ、ミサキ、ローザ、ドリエ、一人一人に勲章が授与された。
「『ワールドジャスティス』の4名には全員にSSSランクの称号を誦することとする。」
「パチパチパチ・・・・・」
すると、4人が不思議そうにしている。
「あの~! 私達は4人でしたっけ? なんか・・・・」
「僕もなんかもう一人いたような気がするにゃ。」
「私もなんかすごく大切な・・・・」
「私もです。胸が締め付けられるような思いです。」
「何を言っている! ミサキ! お前達は最初から4人で活動していたではないか?」
すると、ナルーシャ聖教国の聖女リリアンナがみんなに言った。
「ミレイさん。ミサキさん。ローザさん。ドリエさん。皆さんはもしかしたら5人で戦っていたのかもしれません。恐らく、あなた方は神とともに戦っていたんだと思います。」
不思議だが、ミレイ、ミサキ、ローザ、ドリエが同時に言った。
「神様! ありがとうございました! 私達の愛は永遠です!」
― 完 ―