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最強転生者が神になるまで  作者: バーチ君
デビロット大陸
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最終決戦(2)

 オレが地上の世界に戻ると、まさに雷に打たれている状態だった。



『神力解放』



 神々しい光を放っていたオレの身体が一段と眩しく光った。この世界の隅々にまで光が届く。その光はとても優しく、とても暖かい光だ。光が収まると、オレの髪は黄金色に輝いている。そして、純白の羽は黄金色に染まっていた。



「き、き、貴様は?!」


「オレか、オレの本当の名前はデウスだ! もはや、お前はこの世界に必要がない。消えるがいい。」



 オレが手を前に突き出すと、巨大な光の球体が現れた。その球体がハーデスを吸い込んでいく。



「ギャー」



 ハーデスは球体に完全に飲み込まれた。



「終わった~! これですべてが終わった!」



 オレが元の姿に戻って地上に降りると、ミレイもミサキもローザもドリエも全員が平伏していた。



「どうしたの? みんな?」


「・・・・・」


「オレはケンだよ! ただに人間だよ。どうしてみんな平伏するのさ。立ってよ!」



 誰も動こうとしない。オレはミレイの肩に手を置いて言った。



「オレはミレイのことが好きな普通の人間だよ。」



 すると、ローザが立ち上がって言った。



「やっぱり、ケン兄だよね。」


「当たり前じゃないか!」



 すると全員が立ちあがった。そして、地面が割れるような大歓声が鳴り響いた。



「やったぞー!!!」


「これで世界が平和になるぞー!!!」



 ミサキがオレに近づいてきた。



「ケン! ミレイだけずるいよ! 私にも『大好き』って言ってよね。」



 すると、ローザとドリエがオレの左右に抱きついてくる。



「わかったよ。じゃあ、一人ずつな!」



 オレが、ミサキ達に愛してると告げようとした瞬間、周りの景色がゆがみ始めた。歪んでるだけではない。遠くの山も、空も消えていく。そして、目の前の景色がどんどん消えていく。



“リン! どうしたんだ? 何が起こっているんだ?”


“私にもわかりません!”



 目の前のカーミラさん達も、そして古代竜のシエンさん達も消えていく。



「ケ————ン!」


「ケン兄!」


「ケン様!」


「ケン! 愛してたにゃ!」



 みんなの姿が薄くなっていく。ミレイもミサキもローザもドリエも涙を流しながら、オレの前から姿を消した。そして、うす暗い何もない空間だけが残った。



“なぜ俺は消えないんだ?”


“マスターは神ですから!”



 すると、前方から見たことのある男がやって来た。



「貴様はハーデス! どうして?」


「お前が戦っていたのは俺様の分身だ! 俺様は神だぞ! そのくらいできて当たり前ではないか!」



 そうだ。ハーデスは元冥府神だ。オレはなんて馬鹿なんだ。ハーデスがあんなに簡単にやられるわけがなかったんだ。



「俺様はお前達が戦っている間に世界樹に行って、このオーブを手に入れていたのさ。」


「精霊王はどうした?」


「俺様を誰だと思っている。冥府神ハーデス様だぞ! 精霊王ごときがオレに勝てるわけがなかろう。奴なら完全に消滅させてやったさ!」



 オレの怒りの感情が燃え上がってくる。



「このオーブはな、生命を作り出すだけでなく、すべてを無にする力を持っているのだよ。なにせ、このオーブはこの世界の神々が作ったんだからな。俺様はその神の一人だ。知らないわけがなかろう。俺様はこのオーブを使って自分の世界を作るのだ! そして、新たな世界の創造神となるのさ。」


「ハーデスよ。それは無理だ。お前にそんな力はない。」


「なぜ、お前にそのようなことがわかる?」


「お前にはすべての根源が理解できていないだろ?」


「なんだそれは?」


「オレは何万年もの間旅をしてきた。何度も死んで、何度も生まれ変わったんだ。たくさんの人々と出会い、悲しみ、喜び、苦しみ、楽しみ、そのすべてを理解してきた。お前にわかるか? 愛する人々を失った悲しみが!」


「そんなもの分かる必要などない! 力がすべてだ!」


「万物の根源は『愛』だ。この世界のすべてが『愛』でできている。すべての法則が『愛』に従っているんだ!」


「腑抜けたことを言うな!」


「そうか。言ってもわからないか。今のお前には怒りよりも哀れみしか感じない。良いだろう。お前は、もう生まれ変わる必要がない。この場で完全に消滅させてやるよ。」



 ハーデスが魔法で攻撃してくる。だが、オレには通用しない。オーブの力を利用して炎の魔法、水の魔法、雷の魔法、様々な攻撃をしてくるが、オレの身体には傷一つ付かない。



「なぜだ? こんなことがあるはずがない!」


「無駄だ! そのオーブを作ったのは所詮、お前達この世界の神々なんだろ?」


「どういう意味だ?」


「オレは、お前達神々を作りだす存在だ! そんなものが役に立つわけがないだろう!」


「貴様は?」


「オレは普通の人間だ。今まではな。だが、今は違う。オレは創造神ガイアと最高神エリーヌの子だ!」


「そ、そ、そんな馬鹿な?!」



『消えろ!』



 ハーデスの身体がどんどん薄くなっていく。



「ありえん! 何故だ? 助けてくれー!!!」



 ハーデスは完全に消滅した。そして、うす暗かった空間が神界のように明るく何もない世界となった。


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