表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強転生者が神になるまで  作者: バーチ君
天空族の里
138/172

怪しい洞穴

 ケリーとカレラの修行を始めて2日目だ。2日目は魔力循環の練習をしてから、身体強化の魔法を教えた。やはり、ケリーは無意識で発動していたようだった。



「やっぱり基本が大切だな。今までとは全然違うぞ! なんか体が軽くなったな。」


「僕も少し体が軽くなったような気がします。」


「なら、カレラさん。この剣を振ってみてください。」



 オレはわざと大剣を渡した。



「こんな重そうな剣なんか、振れるわけないですよ。」


「いいから。やってみて!」


「ブ~ン ブ~ン」



 カレラが軽々と大剣を振る。



「ケンさん。これ、わざと軽く作ってますか?」


「いいえ。普通の大剣ですよ。」

 

「本当に?」



 やはり魔力循環を覚えると体の動きがよくなるようだ。身体強化が成功している。



「じゃあ、午後からはダンテさんから体術を学んでください。」



 お昼休憩の間、女性陣が言ってきた。



「ケン。私達の時のように実践訓練の方がよくない?」


「ケリーはともかく、カレラさんはもう少ししたら実践訓練するつもりだよ。」


「なら、私達暇だから山の方に魔物を狩りに行ってもいいかな~?」


「別にいいよ。ドリエ! みんなを案内してやってくれ!」


「はい。ケン様。」



 女性陣がドリエの案内で山に向かった後、オレはダンテさんと一緒にケリーとカレラさんを鍛えるべく、修行に参加した。持久力や筋力のトレーニングでは、意外にもケリーよりもカレラさんの方が能力が高かった。



「僕は毎日厨房でたくさんの料理を作っているから、体力があるのかもしれませんね。」


「ケリー! その程度でバテルなんて情けないぞ!」


「俺は長期戦なんて考えたことないから!」



 夕方近くになって、2人は立ち上がることすらできなくなった。



「今日はここまでだな。明日からもっとレベルを上げてくからな!」


「もっとですか? 今日の訓練だけでも限界なのに~!」


「俺も限界だ~!」



 オレ達が解散して、ドラクさんの家に行くとすでに女性陣が帰ってきていた。



「ケン兄! おかえり~!」


「ケン! カレラさんはどう?」


「時間はかかるけど大丈夫だと思うよ。」


「僕達と一緒に山に魔物を討伐しに行った方がいいにゃ!」


「ミレイ達はどうだったんだ?」


「ホーンベアやホーンボアがいたにゃ! 今日はお肉料理にゃ!」


「みんなのストレスの解消にもなるし、この里の安全にもなるから一石二鳥だね。」


「明日も行くにゃ!」



 それから数日が経った。ケリーはすでに実力があったので、驚くほどの成果は見られなかったが、カレラさんはもはや別人のようになっていた。男らしく身体が引き締まっただけではない。魔法も体術も、その辺の冒険者では勝てないレベルまで到達している。



「ケリー。カレラさん。そろそろ実践訓練に移ろうか?」


「俺は大丈夫だが、カレラは大丈夫なのか?」



 するとダンテさんが答えた。



「恐らく、ワイバーンなら一人で倒せるぐらいには強くなってると思うぞ!」


「まさか?! 俺だってワイバーンと戦うのは大変なんだぞ!」


「実際に戦ってみればわかるさ!」



 その日、いつものようにドラクさんの家に帰ると女性陣が帰っていた。どうやら、この近くにはすでに魔物がいなくなっているので、少し離れた山まで行っているようだ。



「ケン! 今日、ここから離れた山に行ったんだけど、変な穴を見つけたんだよね。」


「ドリエは知らないのか?」


「はい。私も今まで気づきませんでした。」



 するとドラクさんが聞いてきた。



「ドリエ。その穴の位置はどのあたりだ?」


「休息の滝の近くよ。」



 ドラクさんが考え込んでしまった。



「その穴の近くに大きな石はなかったか?」


「あったよ! でも、私が粉々に壊しちゃった!」


「それは封印石だな。」


「ケン兄! どうしよう? 私、大事な石を壊しちゃったよ~!」


「ドラクさん。その穴には何を封印していたんですか?」


「詳しいことは、私も知らないんです。ただ、私の父、つまり私の前の族長が封印したと聞いてます。」


「なら、明日みんなで行こうか?」


「でも、ケリーとカレラさんの修行は大丈夫なの?」


「あの2人も連れて行くさ!」



そして、翌日、オレ達はダンテさんに断って、ケリーとカレラさんを連れて山の中腹にある謎の穴に行くことにした。



「ケン兄! 魔物を見つけたら討伐していい?」


「ああ、いいよ。オレが空間収納に仕舞ってやるよ。」


「なら、私も討伐する!」


「いいけど、カレラさんが優先だから。その次はケリーだからね。」


「わかってるにゃ!」



 謎の穴までは意外と距離がある。途中で、ホーンボアやホーンベアがいた。最初は及び腰だったカレラさんも、次第に自分の強さに自信が持てるようになったようだ。



「カレラ兄ちゃん。意外と強いじゃん。」


「ケンさんやダンテさんに厳しい指導を受けましたからね。」



 するとケリーが横から言った。



「まだまだだな。俺の夫として認めてもらうには、もっと強くなってもらわないとな。」


「ケン。そろそろよ。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ