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最強転生者が神になるまで  作者: バーチ君
エリーヌ聖教国
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エリーヌ聖教国でオーブ探し

エリーヌ聖教国の今後について話し合ったあと、オレ達は亜空間に戻った。そして、腹をすかせた女性陣のために夕食を用意してみんなで食べている。



「ケン! 気になったんだけど。どうして魔族がいたのかな~? 今までだと魔族はオーブを狙ってたよね~!」



 オレはうっかりしていた。この国を何とかしなければと、それしか考えてなかった。言われてみればミサキの言う通りだ。ここで、リリーが聞いてきた。



「ケン様。オーブって何ですか?」



 ここでオレはオーブの説明をした。



「最後にリッチキングから奪ったオーブが『雷』のオーブだったから、後は火・水・風の3つ残ってるんだ。」


「そうすると、この聖都にもオーブがあるかもしれないってことですか?」


「そうね。魔族がいたもんね。」


「でも、あの魔族達の実力ならオーブをすぐに回収できたでにゃ!」


「そうだよな~。なら、目的は何だったんだろうな~。」


「もしかして、魔族達はオーブの大体の場所しかわからないんじゃないでしょうか?」


「そうかも~! 以前も山の頂上で魔族がオーブを探してたよね! ケン兄!」


「その可能性はありますね。」


「じゃぁ、明日この聖都全体でオーブの反応を調べてみるよ。」



 翌朝、オレ達は大聖堂の屋上に来ている。そこから、聖都全域にオーブの反応を調べるように魔力を集中させた。



「ズキンッ」



 オーブの反応だ。



「ここから南の方向に行ったところから反応があるんだけど。」


「南側は何もないですよ。現在は人も寄り付かない森になってますから。」


「ケン。一応行ってみようよ。」


「ああ。」



 オレ達は街中を歩いて移動した。武術大会が終わってから数日経つが、未だに街のみんなが手を振ってくる。中には、オレを見て拝み始めるものまでいた。



「ケン様は有名人ですからね。」


「やめてくれよ。ドリエ。オレはあまり目立ちたくないんだからさ。」


「そうにゃ。最初のころは『目立っちゃいけない』とか言ってたにゃ!」


「そうなんですか? でも、どうしてですか? ケン様!」



 するとローザが答えてくれた。



「なんか、ケン兄はある人から『目立つな』って言われてたらしいよ!」


「そうなんですね。でも、その整った顔立ちでは目立たない方がおかしいですよ。」


「あ~! リリーさん。何気にケンに告白してる~!」


「ち、ち、違いますから!」



 みんなで話しながら歩いていると、森の入り口に着いた。



「反応はこの奥からなんだよ!」


「行ってみるにゃ! 『ミレイ探検隊』出発にゃ!」


「ミレイ姉! なんで『ミレイ探検隊』なの?」


「ミレイ! 私も納得できない!」


「私もです!」



 あいかわらず女性陣は賑やかだ。森の奥へと進んでいくと、モンキー系の魔物やウルフ系の魔物がいた。その都度、みんなで討伐しながら進んでいく。



「ケン! なんかこの先開けてるよ!」



 ミサイの言う通り、森の奥に行くと気が少なくなっていく。そして、かなり開けた場所に出た。そこには、崩れた家の残骸のようなものが散らばっていた。



「リリーさん。ここは?」


「ここは、昔からある遺跡です。この国では何度も内戦があったんです。当時は王国でしたので、王族同士や貴族なんかが絡んで王位をめぐって争ったんです。そこで、一人の男性が現れて、エリーヌ教を広めて内戦が終わったんです。」


「だから、この国はエリーヌ聖教国なんだ~!」


「そうよ。ローザちゃん。セリーヌ様を信仰することで、国民の心が一つになったんです。ですが、時代とともにその心も変化して、今回のような教皇と大司教の権力争いのようなことが起きたんです。」


「オレの昔いたところでも、『歴史は繰り返される』なんて言われているけどね。でも、人々が強く平和を望むなら、争いは起きないと思うんだけどな~!」



 オレの胸に『パチン』と違和感を感じた。この辺りにオーブがありそうだ。



「みんな。この辺りにオーブがあるはずだ! 手分けして探してみよう!」


「了解!」



 みんながそれぞれ散っていった。しばらくして、ミレイの大きな声が聞こえる。オレ達はミレイのもとに集まった。



「ケン! ここに石像のようなものが砕けてるにゃ。」



 確かに石像のようなものがばらばらに砕けて落ちていた。



“リン。これが何かわかるか?”


“マスター! これは冥府神ハーデス様の像です。昔はハーデス様を主神として祭っていた地域もありますから。”


“そうなのか。ありがとう。リン。”



「この石像は冥府神ハーデス様の像のようだよ。」



 すると、ミサキが気になることを言った。



「そう言われてみれば、お母様に聞いたことがあるわ。昔の時代では、人が死ぬと復活させてもらえるように、冥府の神を主神として祭っていたって。」



 すると、リリーがそれに反応する。



「そういえば、このエリーヌ聖教国もミサキさんが言う通り、以前はハーデス様を主神としていたって聞いたことがあります。」


「でも、神様の石像がこんな姿になるなんて罰が当たりそうな気がする。ケン兄!」


「そうだな。いくら時代が変化しとはいえ、これは神様に申し訳ないな。」



 オレは元に戻そうと魔法を発動した。



『レストレイション』



 すると、石像が元の姿を取り戻していく。



「ケン様の魔法はいつ見てもすごいです。」


「ドリエちゃん。そんなこと言って、ケンに頭を撫でてもらいたいんでしょ。」


「わかりましたか? エヘッ」



 すると、みんなには見えないし聞こえないかもしれないが、オレには石像から真っ黒なオーラが漂っているのが見える。そして、いやな声が聞こえた。



“人間どもめ! この恨み、決して忘れぬぞ!”



 やがてオーラが消えていき、普通の石像に戻った。



「ケン! 石像のあった場所に何か光ってるにゃ!」



 確かにそこには光るものがあった。瓦礫をどかして手に取ってみると、一瞬眩しく光って元に戻った。



「ミレイ! お手柄だな! これは風のオーブだ!」


「やっぱり、『ミレイ探検隊』で正解だったにゃ!」



 オレはミレイの頭をナデナデした。他の女性陣達が羨ましそうに見ている。



「さあ! 帰ろうか! みんな近くに集まって!」


「は~い!!!」



 何故かリリーがオレの手を握って来た。オレ達は転移で聖都まで戻った。そして、現在はオレの亜空間の家にいる。リリーも一緒だ。



「ケン様。いつ出発なさるんですか?」


「オーブも見つけたし、明日には出発しようと思う。」


「えっ?! 急じゃないですか!」



 すると、ミサキが説明した。



「ケンはエリーヌ様からこの世界の平和を託されてるのよ。オーブが残り2個。魔族の手に渡る前に見つけないといけないのよ。」


「そうなんですか。」


 

 リリーが寂しそうに下を向いてしまった。オレは空間収納から水晶を取り出して、リリーに渡した。



「これは通信の水晶なんだ。困ったことがあったらこれで連絡をくれればいいから。オレは転移できるから、すぐに駆け付けられるよ!」


「なら、会いたくなったら連絡しますから、すぐに来てくださいね!」



 なんか違う気もするが、まあいいか。


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