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最強転生者が神になるまで  作者: バーチ君
カナリカ王国
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セザール辺境伯領で兵士の訓練(4)

 そして、訓練2日目の朝、オレ達は再び訓練場にやって来た。すでに、50人の兵士達は全員が揃っている。



「さて、皆さん。今日は2日目です。魔法を訓練しましょう。手本を見せますから。」



 ミレイ、ミサキ、ローザ、ドリエがそれぞれ得意な魔法を披露した。最初は驚いていた兵士達も、次第に顔が青ざめ、恐怖に顔を引きつらせていた。



「今日一日が終わった後、皆さんもある程度魔法が使えるようになります。ですが、魔法も体術も一日で上達するわけではありません。普段から訓練するようにしてください。」



 早速、ミサキとローザがみんなの前に出て話し始めた。



「では、これから魔法を使うための準備運動を始めます。私の言う通りやってみてください。」



 ミサキは魔力の循環から指導を始めた。体の中の魔力を感じ取り、それを素早く循環させるのだ。だが、なかなかうまくいかない。全くできない人もいる。ミレイとローザが中心となって指導をする。



「できた———!」


「俺もできたぞ!」


「これが魔力か! なるほどな!」



 どうやら何とかできるようになったようだ。



「30分休憩してから、次の段階に移りますよ!」



 30分休憩した後、兵士達の前にミサキとローザがやってきた。



「さて、今度は皆さんが持っている剣に、それぞれが得意な属性の魔法を付与してもらいます。」


「魔法の付与ならいつもやっているぜ。楽勝だ。」


「オレも付与ぐらいできるさ。」



 そんな声が聞こえてくる。そんな声が聞こえてくる中、ミサキが声を張り上げた。



「皆さんの魔法の付与は不十分です。もっと効率よく付与しないといけません。見本をお見せしましょう。」



 ミサキが剣を抜いた。そして、光魔法を付与する。すると、剣から眩しい光が放射された。兵士達は一瞬目がくらんでしまう。そして、天に向かって魔法を発動した。



『シャイニングドラゴン』



 光の柱が竜へと形を変え、大きな口を開けて天に昇っていく。兵士達は驚きのあまり後ずさりして動けない。



「どうですか? 魔法の付与がしっかりできればこのような魔法も発動できます。」


「オオ——————!!!!」



 兵士達は断然やる気が出たようだ。それから、魔法付与の仕方を説明し、それをミサキとローザだけでなく、ミレイとドリエも混ざって一人一人指導した。その結果、最初の頃とは比べ物にならないほど、魔力量も魔法の使い方も上達したようだ。



「ケン殿。いよいよ明日から実践ですか?」


「はい。セザールさんとマーカスさんは私と一緒に行きましょう。他の兵士達は10人ずつのグループに分かれて、それぞれのグループにミレイ達を一人ずつ同行させます。」


「わかりました。」


「厄介な魔物の出る場所を教えてください。どうせですから、それぞれのグループで討伐しましょう。」


「なるほど、それは一石二鳥ですね。」



 その日も亜空間の家に戻ってゆっくり休んだ。そして、翌日早朝オレ達は訓練場に行った。すると、兵士達が大きな声であいさつをしてきた。



「おはようございます!」


「おはよう。今日は実践だよ!」



 すると、兵士達は興奮した様子で大喜びだ。



「やったぜ! 訓練の成果が分かるぜ!」


「ああ、俺も腕が鳴るぜ!」



 そこにセザールさんとマーカスさんがやってきた。そして、実践訓練をする場所を決めた。ミサキが率いるチームは郊外の東に位置する草原地帯だ。どうやらゴブリンの集落があるようだ。ミレイの率いるチームは郊外の南に位置する湖だ。どうやら、キメラが他の魔物を従えているようだ。ローザが率いるチームは郊外の北の森林地帯だ。そこには、アラクネ達がいることが分かっている。そして、ドリエのチームは西の山岳地帯だ。相手はワイバーンだ。最後に、オレが率いるチームは南東に位置する山岳地帯だ。そこには、ほとんど行ったことがなく、どんな魔物がいるのかはっきりとはわかっていない。オーガを中心とした魔物の集団がいるとか、コカトリスを見た者がいるとか言われている。



「みんな聞いてくれ! みんなはこの4日間で体力も魔力も大分成長した。だが、まだ不足しているものがある。それは経験だ。戦闘能力をあげるためには経験が最も重要だ。これから2日間、死に物狂いで魔物の討伐に当たって欲しい。」


「オオ—————!!!」



 オレはミレイ達に言った。



「いいかい。みんな。弱い魔物は兵士達に討伐させてくれ。強力な魔物は、みんなに討伐してもらうが、息の根を止めるのは兵士達にやらせてほしい。」


「兵士のみんなの経験値をあげるのね?」


「そうさ。それと、困ったことやけが人が出たらオレに念話を飛ばしてくれ。」


「わかったにゃ。僕もミサキのように『治癒魔法』を使えればよかったにゃ。」


「夜はどうするんですか? ケン様。」


「ドリエ姉。今日は野営して泊まるしかないよ。」


「そうだな。この魔法袋を渡しておくから、この中に荷物や食料を入れておけばいいよ。」


「さすがケン兄ね!」



 オレ達はそれぞれのチームのところに行った。いよいよ出発だ。兵士達もみんな真剣な表情だ。最初に、草原地帯のミサキに動きがあった。



「みんな。ゴブリンいるわよ。1匹は逃がして!」


「なぜですか? ミサキ殿!」


「ゴブリンの巣を見つけるためよ。」


「なるほど!」



 15匹ほどいるゴブリンに兵士達が切りかかった。それぞれが剣に魔法を付与している。訓練の成果があったようで、あっという間に討伐した。逃がした1匹が草原から続く森の中に入って行った。ミサキ達は気付かれないように後を付けて行く。



「そろそろよ。」



 ミサキ達は木の陰に身を隠して様子を伺っている。森の中の岩山に複数の穴が開いていた。どうやらここで間違いないようだ。洞穴の前の開けた場所でゴブリン達が捕まえた獲物を食べている。その数、ざっと100はいるだろうか。体の大きなものもいる。弓を持っているもの、杖を持っているものと様々だ。



「ミサキ殿。ホブゴブリンもいるようです。ですが、ゴブリンキングの姿がありません。」


「多分、あの中央の大きな穴の中でしょ!」


「どうしますか?」



 今日はもう暗くなってきてるから、明日早朝に一斉に攻撃を仕掛けるわよ。



「了解しました。」


ケン兄、疲れてるみたい!

ケンは仕事が忙しいにゃ!

身体こわさなければいいけど。

そしたら僕が優しく介抱するにゃ!

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