俺の『六感目』は何のスキルだ?
今日は、いい日だな…
四葉のクローバを見つけたり、シャーペンの芯が一度もおれなかったり、少しづつ運がいいことが積み重なっていき、最終的には好きなアイドルのチケットにも当選したのだ。なんという幸運。
だが、俺はフラグを毎回、回収してしまうようで、今まで何度もこの幸運を逃してきたことか。だから今回は、フラグを立てないようにできるだけ話さないようにしていた。
「よし!ここを曲がれば、遂に浅水ちゃんのライブに!初めてだな~」
あ。…いや。これはフラグじゃないぞ。
今までの経験上これはフラグじゃないと判断。
「危ない…フラグを立てる所だった…」
…あ。これは…
アウト。何で行っちゃったかな…?
とりあえず何があるか予想を立てればいいんだ。
可能性1、曲がった先から車が来てひかれて死ぬ。
可能性2、ヘリ、飛行機などが墜落して死ぬ。
可能性3、何かに躓いてスマホが壊れてライブのチケット(電子)がなくなる。
だが大丈夫だ。このためにスマホは家に置いてあるし、ここにミラーがあるから車にも引かれないし…
『わかんないよ…』
『よく見て…』
ん?何か聞こえる。そーっと声が聞こえる路地裏に近づいていく…
ひょっこり顔を出して盗み聞こうとすると…
「あ。」
「え。」
目が合ってしまった。だが、そこにいたのは銀髪の女の子が一人。年は、俺と同じ高校生くらい…
何より問題なのが、その子が持っているものだ。
それは、長さが30センチほどある銃だった。
「ごめんなさ…」
謝って逃げ去ろうとしたが、さすがにそうはいかなかったらしい。布をかぶせられた。すると、目の前が真っ暗になって、俺は気を失った。
目が覚めると、目の前にあの女の子がいた。
ちなみに俺は、椅子に縄で縛られて動けない状況だ。
俺は睡眠薬を飲まされたのだろうか。もしくはかぶせられた布に、何かがついていたか。
まだ、少し目が覚めず頭が回らないが、そんなことを気にせずに、話が始まる。
「貴方、私が持っているライフルを見たよね」
銃じゃなくてライフルっていうんだ…何か違うのかな?
じゃなくて、今俺殺されそうだったわ。
「すみません…」
「それなら話は早いわ、あなたには死んでもらうしかない」
俺の額に「ガチャ」という音を鳴らせて銃を、いや、ライフルを突き付けられた。