虹
雨の日は鬱陶しい日だと言われているけど
雨の日の君が美しくて
雨の日だけを待っていた
目の当たりすら見えない
真っ白な雨の中では
君がどんな表情をしているのかも分からない
相合傘をするのであれば
どんなに雨が強くても
君の顔が見えるかなって
私の体すら飛んでいきそうな嵐の中で
小さいその傘を汗がでるほど手に取って耐える
徐々に徐々に傘が手から滑り
今まで耐えていたのが無駄なんだと言わんばかりに
路面を打ちながら転んでいく
私は傘が飛んでいく方を眺めていたが
やげて消え、そのまま倒れてしまった
どんなり雨が降っても服はもう濡れなくなった頃
君はいつも雨が上がって
届けないあの空の向こう
虹のように燦爛と輝く