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メンヘラホームレス  作者: 鈴木タオル
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■第9話突然のメール■

仕事を短期間で辞めてしまった僕は短期バイトをしながら職を探す。

そんなある日突然女友達からメールが届いた。

 その後も短期のアルバイトを色々やったが、どれも長続きはしなかった。2,3週間で辞めたのであまりどんな仕事をやったのか覚えていない。簡単な軽作業を多くやったような記憶がかすかにある。中には登録も事前電話もなしで、当日行って当日に仕事内容を知らされて働いて終業時にお金を封筒で貰うというような仕事もやった。今まで色んな仕事をしてきたが、こんなのは初めてだった。そこは行く度に職場、仕事内容が変わるのですぐに他の仕事を探した。

 おそらくこの頃からタバコを吸い始めた。カッコをつける為だった、タバコの匂いはパチンコ屋の仕事を経験したので慣れっこだった。初めは吸い方がわからなかった。タバコを指で挟んで安定させることすら手間取った。タバコに火をつける時に吸いながらという事も知らなかった。吸い方はネットで検索した。鼻からケムリを吸うと書いてあったのでその通りにした。結構吸い込んでいるつもりだったが、ケムリを吐く時あまり出なかった。最初はそれが不思議だったが、だんだんとケムリの量は増えていった。銘柄はおそらくマイルドセブンの6mだったと思う。最近辞めたのだが、それまでずっとこの銘柄だった。名前はメビウスに変わったのだが。



 ある日女友達からメールで「遊ぼう」と突然来た。引越し先は伝えていたのだが、友達と一緒にプールで泳ぎに来て近くまで来ていると言うのだった。

 名前はえりこと言った。この子は以前コールセンターで務めた時に出来た友達だった。その職場は男女比5:5くらいで大学生くらいの女の子が沢山いた。青山学院とか上智とかの子もいて、偏差値の高めの大学に通ってる子が結構いた。そういう大学の人とは住む世界が違うなんて勝手なイメージがあったが、普通の子だったし、友達になって普通に話していた。

 メールをしてきた子は大卒とは聞いていなかったのでおそらく高卒だが、比較的かわいかった。ブサイクではなかった。この後数年で結婚してしまう事になるのだが…

 同じインディーズバンドが好きで話が合い、一緒にライブを見に行った事もあった。携帯メールやパソコンのメッセンジャー(チャットソフト)を使って度々話していた。でも突然の遊ぼうメールには心底驚いた。女の子から遊ぼうなんて誘われたのは生まれて初めてだった。小学生の頃はよく女の子と遊んでいたが、それは全部自分からだった。

 近くに来て明日ちょうど何もなくて暇だと言った。僕もその時はちょうど何もなかったので、駅まで自転車で迎えに行った。


 駅について、メールをしてどこにいるか聞く。すぐわかった。すぐに会えた。その子とは何回も昼休みに飯を食べたり、遊んだりもしてたが、その時はもの凄く緊張していた。何をするか何も思い浮かばなかった。あまり会話も弾まないまま自転車を押して一緒に駅の近くを歩いた。何もする事が思い浮かばなかったので、無意識に公園に向かっていた。駅の近くには広大なほとんど芝生の公園があった。ついてイスに座った。ほとんど会話が弾まなかった。顔をずっと見ていた。えりこは空とか風景をずっと見ていて、話しかけると「うん」とか返すだけだった。今考えるとカラオケとかに行っておけば良かったと思う。

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