■第13話居候生活が始まった■
居候生活、男三人のルームシェア生活が始まります。
求人広告にあった通り、会社負担で引っ越しが出来た。デカイ棚やあんまり履かない靴などは捨ててしまった。
引越し先の寮はマンションでかなり高層だった。なので窓からの眺めは良かったが、他の人との相部屋だった。相部屋と言っても一人一部屋だが、3DKの内の一部屋だった。他の職場なのか、同じ職場の違う部署なのかは分からないが、家以外で顔を合わせる事はなかったし、家でもほとんど顔を合わせる事はなかった。初めて赤の他人と一緒に暮らしたが、それ程不快に思ったことはなかった。
テレビが入居時から備え付けられており、暇があればテレビを見ていた。tvkの音楽缶を良く見ていた。その日はBuono!の恋愛ライダーが流れていた。メンバーは三人なのだが、その内の一人を見て、「この子かわいいなぁ」と思った。後にこの子の名前は夏焼雅という事を知ることとなる。
非常に申し訳ないのだが、ここの仕事内容を全く覚えていない。覚えてないのだが、二、三週間で辞めてしまった事は覚えている。何が原因だったかも良く覚えていないが、やはり仕事についていけていなかったように思う。辞める直前か、直後か、マンションの前で友達に電話を掛けたことは覚えている。「仕事を辞めてしまったので、泊めて欲しい」という内容だった。ここから居候の生活、そして男三人で暮らす日々が始まる。
居候先は数年前にパチスロ屋のアルバイトの同僚だった友達で宮崎君といった。もう一人の同居人はその宮崎君と同郷で名前が岸本君。年齢はみんな同じ歳だった。
寝る時は岸本君はハイベッド、宮崎君はそのベッドの下、自分は寝袋で寝た。
家賃も光熱費も折半だった。仕事は辞めたばかりで、他の二人はしていたので、家事は自分が担当した。自分が作ったチャーハンは結構評判が良かった。調子に乗ってチャーハンを作る日が多かった。今思うと二人とも内心飽きていたかも知れない。それくら作っていた。宮崎君のアイディアで大きい寸胴に毎日豚汁を作った。手前味噌だが、これも中々いけた。