■第12話住み込みバイトをしようと思った■
お金を貯める為に住み込みのアルバイトを始めようと考えます。
えりこは昨晩の事について何も言わなかった。手を触れた事も腰を触ったことも。いつものように他愛もない会話もして、駅までまた自転車に二人乗りをして行った。その後は何をしたかあまり覚えていない。そのまま駅で見送ったのか、繁華街でご飯を食べたのか。一緒にケーキ屋でケーキを食べた記憶はあるのだが、それがいつだったか覚えていない。よく夜家でメッセンジャーを使ってやり取りしていたが、徐々に頻度が減り、距離が開いていった。1年くらいだったか、2年経っていなかったと思うが、それくらい経った頃にはえりこは他の男と結婚してしまった。
引っ越した部屋でどれくらい生活しただろうか。多分1年以上居たとは思うがその記憶がまた定かではない。どれくらいかアルバイトで生活して、またすぐに引っ越してしまったのだ。理由は住み込みのアルバイトというものを見つけたからである。家賃も格安(会社負担だったかも知れない)だし、給料も悪くない。仕事内容もそれ程キツくなさそうだった。ある程度お金が貯まるまで寮に住んで働こうと思った。引越し費用は会社負担だったと思う。登録制アルバイトしかしていなかったので、すぐに転職をする事が可能だったので思い立って即電話をした。すると面接に来てくれと言うので、日時を決め、電話を切った。
少し服装に気をつけて行ったが、スーツではなかった。会社まで遅刻せずについた。近くまで来たところで電話を掛けた。そして、到着した。受付に行くと面接する部屋に案内された。少し待つと担当の人が来た。面接は簡単なものだった。単純で細かい作業は可能か、と聞かれた。
数日後、電話が来た。採用だった。なんか手応えのない面接だったというか、あっさりと合格してしまった。詳しい説明の為にもう一度会社に来るように言われた。日時を決めて、電話を切った。