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メンヘラホームレス  作者: 鈴木タオル
10/14

■第10話新居への訪問者第一号■

えりこと会い、僕の新しい部屋に行くことになります。

いくらか時間が過ぎ、また二人で歩きだした。夕方くらいになっていたと思う。

 「これからどうする?」

 と聞いた。

 「うん、、、明日は暇だし、、、。」

 「そっか、そうだったね。じゃあうち来る?新居に来る人第一号だよ」

 「ホント?じゃあ行く」

 自転車をえりこと二人乗りして家まで向かった。二人乗りはあいこと別れて以来、久しぶりの事だった。正直うまく二人乗りできるかちょっと不安だったが、何も問題なく家まで漕いで帰ることが出来た。途中えりこがぎゅっと僕の胴のあたりを抱きしめる形になった。おそらく揺れたからであろう。柔らかい感触が背中に伝わった。「C以上はあるな。」と密かに思った。

 僕の部屋があるアパートについた。明るめの色に塗られた壁がちょっと恥ずかしかったが、もう外は夜だったので、それ程目立たなかったし、話題にも出なかった。

 えりこはバンギャ(バンドが好きな女の子)でその日は少しロリータっぽい服装をしていた。フリフリでフワっと広がったミニスカートを履いていた。僕の部屋は2階だったので先に階段を登った。

 ドアの前に立ち、鍵を開ける。安いアパートなのでそこも少し恥ずかしかったが、内装は小奇麗なものだったし、まだ引っ越してそんなに何年も経っていなかったので物が少なかったし、散らかってもいなかった。パソコンと布団とイスくらいしかなかった。机もなかったように思う。テレビは確かパソコンで見ていた。

 「お腹空いたね。」

 僕は言った。会ってからまだ何も食べていなかった。えりこも「うん。」と言った。部屋に来る途中に店に寄れば良かったのに、緊張のせいかそこまで頭が回らなかった。家に何もなかったので、二人でコンビニに行くことにした。

 外は雨が降り出していた。二人で傘を差して歩いた。コンビニにつくと僕は買い物をさっさと済ませてしまった。えりこはまだ食べ物を選んでいたので、外に出て待っていた。数分してえりこは買い物を済ませ、出てきた。また元来た道を傘を差して歩いて帰った。

 部屋につくと若干は落ち着いたが、しかしそれでも緊張していた。六畳一間、狭い空間に二人きり。僕は何を話したのか、何をしていたのかあまり覚えていない。パソコンでもイジっていただろうか。緊張してあまり話せなかったように思う。座ってパソコンをイジっていた。えりこは部屋に一個置いてあるイスに座っていた。えりこの方をふと見るとヒザを立てて座っていた。ミニスカートからパンツが見えそうで目のやり場に困り視線がちょっと泳いだ。えりこはほんの少し笑ったみたいだった。

 その後も何を話したのか、何をしていたのか、やはりよく覚えていない。お互いが各々の部屋でメッセンジャーを使っていた時はあんなに会話が弾んだのに、同じ部屋にいるとなると別なのか、会話は少なかったように思う。一緒にテレビでも見ていたかも知れないが記憶が定かではない。夜も更け、もう寝ようかとなった。布団は二つあった。前のアパートに住んでいた時に友達に譲ってもらったものがあった。男友達が泊まりに来る前に余ってるからやると言われた。それがあったのだ。隣に布団を敷いた。

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