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記念作品シリーズ

その後

作者: 尚文産商堂

物語には始まりがあり、そして終わりがある。

だが、本当にそこで終わっていいのだろうか。


「その向こうを見てみたくないかい?少年」

その人は、シルクハットにスーツをきて、木でできた、1mちょっとの杖を持っていた。

「向こうって、どこ?」

僕の物語は、産まれる事で始まって、死ぬ事で終わる。

それより前は無いし、それより後ろも無い。

でもこの人はあると言っている。

何が言いたいのかさっぱりで、僕が何も言わないまま黙っていると、この人が話し出す。

「終わりは、単に始まりに過ぎないんだよ。この世界は、始まりと終わりをひたすら繰り返しているだけだ。だが、そのことに気づくことができるのは、ごく一握りの人だけだ。さて、君はその一人になるつもりは無いかい?」

「結構です」

自然と声を掛ける。

何せ、見知らぬ人には用心しろと教わっているから、この人は要警戒人物だと、本能が示唆している。

「ふむ、そうか。残念だな」

その言葉に他意は無いようで、本当に残念そうな表情で、僕に微笑みかける。

「……ちょっとだけなら」

今度は、この人にそう言った。

気持が揺り動かされたからだ。

この人は、にやりと笑った。

そして、僕に手を差し出しながら告げる。

「では、共に行こう。終わりの向こうへ」

僕は、その手をしっかりとつかみ、そしてこの空間からいなくなった。

これが、僕の終わりと始まり。

人生のその向こうの話の始まり。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] もしも解脱を示唆した作品であるのならば、もう少しボリュームが欲しいかな、と正直感じました。 (※作風はとても好みです)
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