加護ノ鳥
カゴから飛び出してみたら
あの青空はずっと大きいんだと思っていたのに
ちっぽけですごく狭かった
どこまでも高く行けると想っていたのに
高く飛ぶほど 引っ張られる
ジリジリコゲル 羽根が痛いんだ
カゴの中なら安全で
エサにも困らないって気付いたんだ
でも もう 遅いね
帰るカゴはなくなった
みんなみんな引っ張り合う
上に行けば下から見上げられて 憎まれて
下にいればいたで上から見下されて 押さえ付けられる
どうして?
みんな上に行くときに同じように羽ばたいたのに
どうして?
どうして僕たちには羽ばたかせてくれないの
みんなが太陽を目指すわけじゃない
興味のあるところまで飛んだっていいじゃないか
せめて あの雲と同じぐらいにまでは
ただ知りたいだけなんだ
上からの眺めを
ちょっとでもいい
上からの眺めが知りたいだけだ
こんなに努力してたのに
こんなに羽ばたく練習をしてたのに
太陽は僕たちが嫌いなの?
その位置を乗っ取りはしないから
助けてくれてもいいじゃんか
僕ら小物があがいたところで どうせ何も変わりゃしないんだから、さ?