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ひとならざる もの

作者: パンター

これはないわ。トラウマになるわな。

 いつもよりも三分早く家を出て指定された場所にやって来る。

 学校へ向かう道の途中にある公園が指定された場所だ。

 前日、俺の机の中に一枚の折りたたまれた紙切れが入れられていたのだ。

 そこには時間と場所が書かれてぜひ来て欲しいと書かれていた。

 可愛い小さめの文字で書かれていたので勝手に女性が差出人だと認定した。

 とすれば、これは、まさか。噂に聞く。都市伝説扱いの物体のラブレター。なのか。

 ま、まさか彼女いない歴14年のおれの手の上に届いた奇跡の神託(オラクル)級の物体がある。

 う、ううぉおおおおおおおおおおお!

 宝くじで一等賞が当たったような、それ以上の感動が胸を熱くしていた。

 指定されたのは滑り台の前だ。

 確かにそこにおれと同じ学校の制服を着た少女が後ろ姿で立っていた。

 身長はおれよりも少し低め。華奢な体つき。女の子らしくていいじゃないか。

 ふわふわな長い茶髪。いいねいいね。あとは、顔だが。もう少しで彼女の前だ。

 その前に彼女が振り向いた。

 おれの可愛いまマイえんじぇるうううううううんんん?

 完全に振り返ったそれはおれを絶対零度の冷気で凍りつかせた。




 20年後。時々おれはその時の出来事をたまに夢に見る。悪夢(ナイトメア)だ。

 今日も夜空に無数の青白い光の玉が地上へ降下してくる。捕獲体だ。人類を捕獲するために宇宙の母船からやって来るのだ。

 あの時のおれの対応が今の地球の状況を生み出したといっていい。

 今でも、戦慄する状況に直面しておれにできることなんてあれしかなかったと思う。

 あれはないわ。マジで。

 気がつくと黒い体液を外れたカツラの下の頭部から流しているグレイが倒れていた。

 近くにあった子供が忘れていったバットでメッタ打ちにしたからだ。

 それがコスプレしたグレイによる人類捕獲作戦という馬鹿馬鹿しいほど杜撰な作戦だったことが判明し、失敗続きの彼らをやがて強行策に走らせた。それが今の状況なのだ。

 と言っても、ないわー。ツッコミどころ満載だろ、その作戦。

 彼らのありえへんコスプレ捕獲作戦はますますエスカレートし、メイド風や猫耳ケモノ娘風にした所で顔がグレイじゃあかんやろ。それじゃあ某関西の新喜劇のネタみたいじゃねえか。ズコーって滑るしかねえだろ。

 どうやら彼らは亜光速航行で母星からやってきた有機系ロボットらしい。だから高度な思考が苦手らしいのだ。

 圧倒的な科学力で作られた彼らの兵器は人類を圧倒していたが、やがて彼らが馬鹿だと判明すると人類は半反撃に転じた。

 人形ロボット自爆兵器をわざと捕獲させ、母船内で爆発させるのだ。地球人にも犠牲の出る作戦だったが、捕獲体内部には生命維持装置がないため宇宙に出て月衛星軌道近くにある母船にたどり着く頃には人間は結局死んでしまうのだ。

 しかし母船の大きさは半端ない。

 直径2キロの円盤状の母船内で些細な破壊工作をしてもたかが知れている。

 しかしようやく完成したのだ。人間の擬態技術を舐めるなよ。

 これが本物の猫耳メイド型自爆ロボット「ウリュリュン2号」だ。

 エイリアンのセンサーに感知できない反応爆弾を搭載し今までの火薬方式とは比べものにならない破壊力を得た。

 これで人類がエイリアンに勝つ日も近い。


 後の歴史家は言う。

「くだらない戦いだった」と。



 

スカイライン征服見たけれど、アメコミラストに何の意味があるのかな。

急展開すぎる。

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