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妖しい旋律  作者: 月猫百歩
黄泉への道標
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終ノ怪


 軽快な音が鳴り響く。

 紅い月明かりの下、妖しく踊り妖しく笑うあやかし達。

 籠の向こうにある格子から、姿は見えないけれど陽気に騒ぐ妖怪達の宴が聞こえてくる。


 籠の中で一人。月を見上げて目を細める。

 常闇の生暖かい風がわたしの所へ迷い込めば、髪を舞い上がらせていつか聞いた旋律を耳に蘇らせる。




 ここには闇しかないけれど、わたしの中で光を抱いていれば決して消えることはないでしょう。


 もしも見失いそうになればまた思い出せばいい。



 あの優しい、それでいて、妖しい旋律を――――







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