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短編集  作者: 吹雪桜
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短編1


そっと触れれば石に変わった。

生あるものは何でも石に変わった。

気づいたその日から、触れないように戒めた。

閉じ込められた石の塔の中、それでも触れないように気をつけた。




「ナンシー」




笑いかけてくれた初めての人。

あなたの笑顔を見ていたい。

いつまでも、いつまでも。




そっと塔の中から外を除いてみる。

笑うあなたがいた。

笑って手に触れて抱き合うあなた達がいた。


そっと触れれば石に変わった。

生あるものは何でも石に変わった。

気づいたその日から、何でも触れて石に変えた。

私のあなたが大切だから。

いつまでも笑ってほしいから。











そっと触れて…石に変えた。











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