ハーレムにならなかった終末世界で
男が激減した終末世界のコンビニが舞台です。
主人公くんと後輩ちゃんがお喋りしているだけのお話です。
何処にでもあるコンビニ
「ありがとうございました〜」
男性店員の声が響く
「さっきの店員さん男の人だったよね?」
「アタシ、男の人って初めて見たんだけど」
店を出たお客の声が聞こえた
世界から男が激減して300年余り…
街中には女性しか居なくなってしまった世界
そんな終末世界のコンビニに並んでレジに立つ男女の店員
2000年代では当たり前の光景だったが今となっては非常に珍しい光景だ
お客の波が引き、静かになった店内…
「先輩は何で交務員にならなかったんスか?」
バイトの後輩であるヨウコちゃんが話しかけてくる
「アレって、どうやってなるんだろうな?」
「え?」
「アレって求人表とかに無いじゃん?」
「あ〜、確かに。世の中、女向けの求人しか無いっスからね」
「だろ?だから、とりあえずココで働いてるんだよ」
「へ〜」
『交務員』
人類の存続の為に男性は多くの女性と子供を作らなければならなくなった
それを『公務』として国が管理する為に全ての男性は『交務員』として国の保護下に置かれていた
のだが、何故か俺は交務員に採用されることもなくコンビニで働いている
「ありがとうございました〜」
「あざした〜」
「普通、男の人って全員『交務員』になるんじゃないんスか?」
ヨウコちゃんが再び話を戻す
「そうだと思ったんだけどな…」
10年くらい待っているが未だに国からは何の連絡もない
「先輩ってホモなんスか?」
真面目な顔で聞いてくる
「は?交務員は男ならホモでもゲイでも強制だよ」
そもそも自分以外の男を見たことが無いから同性愛がわからん
「じゃあ何で先輩は強制じゃないんスかね?」
本当に何でだろうね?
「知らん」
と、無関心を装ってはいるが内心はヤバい病気とかなのかな?と不安になっている
「タバコ、117番」
「え?あっ、はい!」
タバコを取りお会計をする
「ありがとうございました〜」
「あざした〜」
「………。」
「………。」
しばしの沈黙
「先輩はシたことあるんスか?」
「何を?」
「ナニを」
「………ない」
「え?無いんスか?!」
「無いよ。全く無い」
「ええ〜?普通は高校くらいでシてません?」
「シてない。高校ではそういう雰囲気にもならんかったな」
「クラスは女子だらけだったんでしょ?」
「何か異性と言うより別の生き物と言うか、愛玩動物みたいな距離感を取られてたから…」
「しゃっせぇ〜い!」
「い、いらっしゃいませ〜」
聞いてねぇや…
「あざした〜」
「ありがとうございました」
「………。」
「………。」
「シコったりするんスか?」
「シコっ?!なっ!?」
「何焦ってるんスか?」
「いや、そういうのは…」
「シてないんスか?」
「し…してる…」
「やっぱシてるんスね♪」
「う…まあ……」
「出したのってどうしてるんスか?」
「どう…って、普通にティッシュに…」
「勿体な!先輩のでも貴重な子種っスよ!」
「声がデカいよ!」
そして何か引っ掛かる言い方だな
「良いっスか?先輩」
ヨウコちゃんが俺の目を見つめ熱く語り出した
「ん?」
「今の世の中は少ない男性が多数の女性と子供を作るから競馬界みたいなことになってるんスよ」
「競馬?」
「そうっス、強い馬はみんなサンデーサイレンスの子供だった時代の競馬界状態っス」
???
「だから先輩の子種は価値があるんスよ」
「………。」
確かに今の男達は文字通り『種馬』だが改めて言われると心中複雑だ…
「先輩も頑張ってクワイトファインみたいになったらどうスか?」
「クワ?なに?」
競馬のことはさっぱりわからん
「特定の男性の遺伝子ばっかり拡散されるとみんな姉妹で家族の近親だらけになっちゃうって話っスよ」
「あぁ、それはそうだな…」
なのにお呼びが掛からない俺は一体何なのか
・
・
・
夜
自宅でまったりとしていると
ピンポーン♪
インターホンが鳴る
こんな時間に誰だ?
「はい?」
「夜分遅くに申し訳ございません。私、役所から参りました…ウンノと申します」
「何のご用でしょうか?」
「本日はヤマザキ様に『交務員』採用の件で参りました」
「は?」
交務員採用?
「玄関先では…宜しければ上がらせていただいて、お話を…」
「は、はぁ…」
「ありがとうございます♪」
女性を部屋に上げる
「改めてまして、私…ウンノと申します」
そう言いながら名刺を出してくる女性
女性器が名刺を差し出す
名刺には『交務員採用担当官 海野 幸子』と書かれている
「早速ではありますがヤマザキ様…」
「はい?」
「大変申し訳ございませんでした!!」
女性が土下座する
「え?え?」
「実は役所の手違いで交務員採用リストからヤマザキ様が漏れておりました!」
「はい?」
交務員採用リスト?そんなものがあったのも初耳だが、それから俺が漏れていた?
「当時の担当者がヤマザキさまのお名前が『玲緒奈』様だった為に勝手に女性と判断していたらしく…」
「なに?それ?」
名前が女性っぽいから女性ってどんな判断だよ?
つまり俺の男としての10年はしょうもない理由で過ぎ去ったと言うことか?
「誠に手前勝手ではありますが、ヤマザキさまには本日からでも交務員としてお仕事をして頂きたく…」
女性が密着してくる
「なっ?!」
ビジネススーツで分かりづらかったが大きな胸が腕にあたる
改めて見るとこの女性、胸も尻も大きい
顔も前髪と眼鏡で気付かなかったがメチャクチャ美人だ…
「ふふ…すごく硬い…♡」
「え?」
自分で気付かぬうちに興奮していた
「大きい♡」
無理矢理ズボンを脱がされパンツ越しに撫でられる
「うっ…あ…!」
初めて触れた女性の身体と
初めて女性に触れられたことで…
パンツの中が暴発した
「あら♡」
「うぅ…」
恥ずかしいやら怖いやらで蹲ってしまう
「あ…すみません!私ったら、つい…」
と言いながら俺のパンツを無理矢理脱がせるウンノさん
「あっ、ちょ!」
慌てて股間を隠す
「本日は失礼致しま〜す」
そう言うと俺のパンツを持って行ってしまった
「………ぐすっ…」
1人残され股間に手をあて涙を流した
・
・
・
「………」
「元気無いっスね、何かありました?」
「俺…交務員になるかも…」
「え?」
「昨日、役所の人が来てさ…」
「今更?」
「そう…今更な」
「交務員って普通は18歳からですよね?」
「あぁ…」
「何で今更?」
「俺の名前さ…」
「レオナさんっスね」
「そう玲緒奈。役所側がな…名前だけで女だと思ってたらしい」
「はぁ?役所の仕事ってそんなガバガバなんスか?」
「ガバガバだったんだな…」
「はぇ〜、先輩は今28歳だから10年も…10年もあったら100人以上人口が増えてたっスよ…」
「………」
「で、交務員になるんスか?」
「わかんねぇ…」
「?」
「昨日さ、役所の人に無理矢理ヤられそうになってさ…」
「?!」
「ズボン脱がされて触られたら暴発してさ…役所の人は汚れたパンツだけ持って帰ったけど怖かった…」
「ぶっw」
「え?」
「ぶっひゃひゃひゃwww」
「え?笑いすぎじゃない?」
「ひっwひっw無理矢理されて暴発てwww」
「………。」
「それで、役所の人も精液塗れのパンツだけ持って帰ったてwww」
「もうやめて!声がデカいよ〜!」
「あ〜、おかしw」
一通り爆笑すると急に真面目な顔になり
「先輩には交務員は向いていませんよ」
「え?」
「このコンビニでアタシと一緒に働いてるのがお似合いっスよ♡」
微笑むヨウコちゃんにドキリと心臓が跳ねる
・
・
・
数年後…
役所から手紙が届き自分の知らないところで子供が産まれたことを知る
あの日の『パンツ』かと気づき、生まれてくる子供達にはあのパンツから生まれたことは伝わらないことを願うばかりだ…
そして、手紙の最後には『精液提供代』として見たことない金額が書かれていた
通帳を確認したら上記の金額が振り込まれていた
「貴方、ちょっとヒナのこと見てて!」
「お、おう」
娘のヒナをおんぶ紐で背負いながらレジに立つ
子育てしながらコンビニ勤務はシンドイ
やっぱり交務員になれば良かったかなと思ったり…
「ごめん、ごめん」
妻のヨウコがレジに戻ってくる
「ん、大丈夫だよ」
横に立つ妻と背中の娘
交務員になっていたらこの幸せは無かっただろうなと改めて噛み締める
自分は世界で一番幸せな男だ
本当はエッチなシーンもあったのですが書きたい部分はソコでは無いので全カット
会話劇だけで進むお話にしたかったのですが、難しいですね…




