表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破天荒ギャルの異世界紀行  作者: 甘藤すらいむ
1/23

§01. 4人の転移者

初投稿です。甘藤あまふじすらいむと言います。

書き慣れていないのでお見苦しいところもあるかと思いますが、感想など頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

「へ…?ちょ、なにここ、どこ〜〜〜!?意味わかんないんだけど〜〜〜!?」


金髪に染めてちょっと派手目のメイクやアクセをした女子高生が叫んでいるのは、厳かな装飾が施された大きな建物の中。内部の中心部分にはいかにも魔法陣といった感じの模様が刻まれており、その上に彼女は立っていた。そして魔法陣を取り囲むように人が立っており、その手には杖と本。映画やゲームで見たようなファンタジーな格好をした人たちを見て女子高生は目を丸くしていた。それもそのはず、ついさっきまで午後の授業をサボってマックで友人とだべっていて、いい時間になったので帰路についていたら急に目の前が真っ白になりここにいたというわけである。


ふと横を見ると魔法陣のようなものの中には自分以外にも何人かいることに気づく。彼らは同じようにこの場所にいることに動揺している様子だったが、何を言っているのかはわからなかった。


(え…?外人??何語…??)


女子高生以外にそこにいたのは3人。一人は金髪碧眼の青年で割と整った顔立ちをしているが少しひょろっとした体格をしている。もう一人は大柄の黒人男性で、こちらも20歳前後くらいの青年と思われる。最後の一人は薄い茶色がかった髪の物静かな雰囲気の女の子。こちらも日本人ではなく、見た目からして15歳くらいだろうか。


魔法陣の周囲にいた人の中でも一際豪華な装いの人が4人の前に近づき、何かを述べた。しかしそれもまた聞いたこともない言語であり何を言っているのかはわからなかった。女子高生以外の3人も同様らしく理解できていない様子だった。するとさらに魔法陣の周囲にいた人が中の4人の前に1人ずつ立ち、その手には指輪のような物が握られていた。

中の4人は警戒して身構えていたが、豪華な装いをした人が落ち着いてくださいという感じのジェスチャーをし、その後に指輪をつけてくださいというような動きをした。


(この指輪をつけろってこと??…えー、もっとオシャレな指輪がいいんだけどー)


怪しかったが、状況的につけないと埒が明かないと察した4人は恐る恐る手を差し出した。4人の人差し指に指輪が嵌められると豪華な装いをした人が話し始めた。


「怖がらせてしまい申し訳ございません。我々にはあなた方への敵意はございません。」


「「「「!?」」」」


突如として日本語を話し始めた。


(え?何これドッキリ〜?)


「非常に混乱しているかと思いますが、この場所のことやあなた方の置かれている状況につおてお話しします。まずここはあなた方のいらした世界とは別の世界、ミガルド皇国の首都ヨルムにある聖堂でございます。」


「異世界!?」


場所を着た途端、金髪碧眼の青年が叫んだ。見るとなんだか嬉しそうな顔をしている。


「ええそうです。私はこの聖堂の司祭、フリンと申します。そしてそちらの世界にあるのかはわかりませんが、この世界には魔法があります。先ほどつけていただいた指輪は意思疎通の魔法効果がついたものでして、魔法で互いが発した言葉が自分にわかる形に変換されます。なのでこうして会話ができるようになったのです。」


「魔法だって…!?これは夢か?」

「はは、すげぇ!」

「魔法…?」

「はァ?なんか意味わかんなーい」


魔法の存在に驚く3人と早くも理解できていない女子高生。


「さて次にあなた方がここにいる理由ですが、我々が行なった異界召喚の儀によりこの世界を救う英雄として召喚されたためです。」


「英雄…俺たちが…?」


「そうです。この召喚では異世界より特に優れた素質を持つ者が選ばれて呼び出されます。素質とはこの世界における力の象徴、大きな魔力です。つまりあなた方には世界を平和へと導く力があるのです。」


「はは、すごい、すごいぞ。まるでアニメの世界じゃないか!」


金髪碧眼の青年は話を聞いてとても興奮しているようだ。他二人も驚きを隠せていない様子。


「えー何それ。なんであーしがそんなことしなくちゃいけないわけー?勝手に決めないで欲しいんですけどー」


一方で女子高生の方は不満を露わにしている。


「思うところはあるかと思います。納得していただくためにまだ色々とお伝えすべきことはありますが、まずはこの国を治める皇帝陛下と謁見していただきます。では私についてきてください」

「皇帝…!?」


4人は警戒しつつもフリンに連れられ聖堂の上階から外に出た。聖堂は王宮と通路で直接つながっており、通路からは首都ヨルムが広く見渡せる。


「うわーすごい!こんな街見たことない!」

「映画やゲームの中みたいだな…」

「綺麗…」

「えーすっご、めっちゃ映えスポットじゃん!撮ろーっと」


女子高生が徐にスマホを取り出し、カシャカシャと街の景色をバックに自撮りし始めた。


「え、スマホ使えるのか?」


女子高生の様子を見た黒人の男がポケットからスマホを取り出して確認する。他二人もつられてスマホを確認し始める。


「…使えはするみたいだが、電波はないな。圏外だ。まぁここが別の世界というならそりゃそうか。」

「みたいですね…」


茶髪の女の子は少し不安げな表情を浮かべながら答えた。金髪碧眼の青年はスマホを取り出すや否や女子高生と同様、嬉しそうに写真を撮っていた。


「異世界の方々は不思議な道具を使うのですね。魔法ではないようですが…」


フリンは異世界人たちが使うスマートフォンに驚きつつも、すぐに王の元へと向かわねばならないので続けた。


「みなさん、街の様子はまた後でいくらでも見ていただけますので、今は私についてきてください。」


「あ、すみません。つい興奮しちゃいました。」

「えーもっと撮りたいのにー」


女子高生は若干不満げながらも4人はフリンの後をついて行き、王の間へと辿り着いた。

中は聖堂とはまた違った豪華さがあり、元いた世界では見られない装飾に4人は目を奪われていた。そして入って正面奥は少し高くなっており、そこにある2つの玉座に二人の男女が座っている。さらにその両隣には若い男女が二人立っていた。女子高生達4人の両脇の壁側には鎧を着込んだ騎士やローブを身に纏った人が数名並んで立っていた。


玉座の前まで行くとフリンは片膝をついて述べた。


「陛下、召喚は無事成功いたしました。この者らが4人の英雄達です。」

「ご苦労だったな、神官長フリン。下がると良い。さて英雄たちよ、私はこのミガルド帝国の皇帝レイヴン=オディアルクである。まずはお前たちの名を聞かせてもらおう。」


玉座に座っていた男は皇帝を名乗り、そして4人に問いかけた。高貴な装いとただならぬそのオーラに青年たちはたじろいでいたが、女子高生はそんなこと気にもとめないといった感じで元気よく喋り始めた。


「はいはーい、じゃ、あーしからー!あーしの名前は神之門美愛(かみのと みあ)、日本人!よろしくぅ〜。ミアって呼んでちょー」


ミアのあまりの動じなさに3人は少し驚いていたが、この流れに乗るように続いてミアの隣にいた黒人男性が丁寧な口調で名乗り始めた。


「では次は私が。私は名をロバート=ブラウンと申します。アメリカ合衆国という国の出身です。今は大学で勉学に励んでいる身です。」


一呼吸置いて、続いてロバートの隣の金髪碧眼の男性が名乗り始めた。


「えー、ボクはレオ=ガルシア。フランスから来ました。ハイスクールに通う学生です。このような素晴らしい世界に呼んでいただけて非常に光栄です。」


そして最後に茶髪の女の子が名乗った。


「あ、わ、私は…えっと、ソフィア=マーチン、と言います。イギリスから、来ました。あのっ、よろしくお願い…します…」


ソフィアはこういう場は苦手なようで、最後の方はほとんど聞き取れないほど小声になっていた。


作品は基本、毎週火曜日・金曜日に更新予定です。

忌憚のない感想をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ