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傷跡童話《スカーテイル》  作者: 小鳥遊 和輝
1章 スタートライン
5/19

3話

「さてと、着いたわ」


着いたようだ。


「ここ……か」


『ここ……なのか?』


目の前にあるのは壁と門である。あ、監視カメラが3つある。これじゃまるで……。


「ここはアレですか?ドッキリですか?どう見ても学園じゃなくて精神病棟なんですけど」


両親でも治療が困難だと判断した患者に勧めた、かなり危険な患者向け病棟。

私たちがまるで刑務所だねと騒いでいたアレに雰囲気がよく似ていた。


「あーうん、この壁見るとそう思うわよね。他の子も思ってた学園と違うってリアクションしてたわ」


「なら何で作った……」


「作れってうるさかったから。それはともかくまずは職員とクラスメイトとの顔合わせね、学生寮の案内は荷物が届いてからあたしか生徒に頼んで」


「えーさっそくですか」


休ませることなくクラスメイトに合わせようとする学園長に恨みを込めた視線を送る。

その効果か、おそらく門の解錠コードを読み込ませようとしてるのだろうがエラー音しか鳴らない。


「あ、やば回数制限オーバーした」


「アホか!?」


スパーン!と叩く。


「痛い!あんた何で叩いた今!?」


「腹が立ったから」


「あたし学園長!あなた生徒!軽々しく目上の頭をぶっ叩くな!」


「うっさいわアホ!」


ぎゃーぎゃー学園長が叫き私がキレ返す。


「あのーすんません、いたずらとか校門の前で騒いだりするのやめてもらってもいいですか?」


そんなやり取りをしてると若そうな白衣の男がやってきた。


「誰ですこのメガネ?」

「うるさいメガネ」

『カチ割るぞメガネ』


2人分+観星のメガネ差別。当然観星の声は聞こえない。


「ひっでぇ、そこの嬢ちゃんはともかく桐江さんの言ってることはパワラハですよ。法廷に立ちますか?」


「冗談よ冗談、ちょっとコードが読み込まないからそっちから開けてもらえる?」


「またですか、いい加減腕輪壊すのやめてください」


男は門に腕輪を認識させると解錠音が鳴り門が開いた。


私はぺこりと頭を下げ、学園長を片手を挙げ校内に入る。


「ありがとうね、あそだ、この娘が日向丘さん。クラス案内と腕輪よろしくね」


そういうと彼女はさっさと校内に向かった。


「え、あの……学園長」


私にはまだ聞きたいことがあったのでつい呼び止めた

線引きはしておきたかったから。


「うん?何だい?」


「この人はどこまで知ってるんですか?」


「あたしと同じくらいかな」


なるほど、遠慮はいらないと。


「分かりました、よろしくお願いします、メガネ先生」


「ああ、よろしく。ちなみに俺の名前は柴柳恭弥(シバヤギ キョウヤ)って言うから柴柳先生と今後は読んでくれ、日向丘観星さん……かな?」


「いいえ先生、私は朝陽です。ヘアピンを着けている私は朝陽と覚えてください」


「オーケー、ややこしいから日向丘と呼ぶ。とりあえずは待合室で茶でも飲みながら軽くここの説明をする注意する項目だけ話すから後で渡す生徒手帳で詳しいことは自習してくれ」


「分かりました、とりあえずふかふかのソファに行きましょう」



接待室、ソファふかふか。


「ほら、粗茶だ。あとまんじゅう」


「じじくさいただきます」


ヨモギまんじゅう美味しい。


「ここにはどんな扱いで来たのかは知ってるだろうから、とりあえず基本的なことを」


「ふぁい」


「まず、この学園にはクラスは1つしかない。学年ってものもない年齢問わずみんなで1クラス、その代わりに年数制度でここに来た年数で〇回生って呼ばれてる。日向丘は1回生で最年長は8回生。」


「はむはむお代わり」

ヨモギまんじゅう美味しかった。


「ホレ、まんじゅうの追加だ。生徒数はお前含めて8人、人と成りは実際に見てやってくれ」


「はむはむお代わり」

白餡まんじゅうも美味しかった。


「おう、追加のまんじゅう。授業は座学を3日、残り2日は課外授業の校外学習や地域交流、それか自習のどちらかを選んでもらう。普段の座学はいわゆる普通の勉強で課外授業の代わりにする自習は資格を取る勉強になる。取りたい資格があれば早めに申請をくれ」


「はむはむお代わり」

温泉まんじゅうも美味しかった。


「おっけ、追加のまんじゅう。課外授業の際は多少の自由行動は問題ないが離れる際は一言くれれば、土日と祝日と休日の外出は申請をしてくれれば許可する。夜間の外出は場合によれば許可するが基本的には禁止、22時半には帰るよう。申請許可には1日かかるから忘れないように、ただし教師同伴なら夜間の外出や急な外出も可能だ。」


「はむはむお代わり」

うぐいす餡まんじゅうも美味しかった。


「まだ食うのか、追加のまんじゅう。あと外出にはこの腕輪が必要だ、許可が降りたら腕輪のコードを読み込ませて門を開く、外出記録と入校記録はきちんと腕輪を通して把握されるから門限は守れよ。あと制服はない、腕輪が制服の代わりだから絶対に無くさないように、汚れたり切れそうになったら交換もできるから早めに報告するよう」


「はむはむお代わり」

くるみ餡まんじゅうも美味しかった。


「……追加のまんじゅう。何か質問あるか?」


「はむはむお代わり」

もみじまんじゅうも美味しかった。


「はえーよ!?2箱目から3箱目と6箱目から7箱目!!そして全体のペースも!!」


「うるさい質問は今はないお代わりよこせ」


「分かったよ……なら俺から、もう1人に変われるか?話をしてみたくてな」


「はむはむ分かった」

お酒まんじゅうも美味しかった。

ヘアピンを外す。


「ん……ああ…ゥッ」


「お、変わったのか?君が日向丘観ーー」


「うっ気持ち悪りぃ喋り掛けるな」


「……Oh」


「あ……いや悪りぃ、腹が……ヤバい……ゥッ」


「話はできそうにないか?」


「(コクコク)」


「なら朝陽に戻れ、また次の機会に話をさせてくれ」

本格的に不定期になってしまいましたがご覧いただきありがとうございます

楽しんでいただけたら嬉しいです

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