プロローグ
初投稿の小説です
題材が人によっては嫌な気分になる物なため
あらすじとプロローグで不快感があった場面はご容赦下さい
文章力が拙いですが、書きたかった世界が面白いと感じるものであったら嬉しいです
いつからだろうか、顔を前に向けてゆっくりと散歩するのが私の趣味になっていた。
時刻は21時をちょっと過ぎた10月半ば、風はやや強めの僅かに雲が残る空、個人的にはベストコンディションだ。月が少し欠けてるのを除けば。
いつものように『歩いて来るー』と声をかけ散歩用の服に着替え外に出る。
お隣さんの中学生クンが日課の素振りをしていた。『こんばんは、いい夜だね』と話しかけると、チラリとこちらを見て居心地悪そうに素振りを続けた。何となくその視線にはいつもと違う感情が込められている気がした。
住宅街を抜け、川沿いについた。鈴虫と風と坂の下の川の音が淡々と鳴り何処と無く憂うような気持ちになった。
音に耳を傾けていると、女の子の声が混ざった、この声は友達のあーちゃんとみーあとゆっこだろう。
3人で1つのスマートフォンを見ながら楽しそうに笑っている、声をかけようとしてやめた、まあいいか。
横を通り抜け自動販売機で飲み物を買った。3人の話題が、明日転校する生徒の話に変わったような気がしたけど自動販売機の音でよく聞こえなかった。
ここからUターンして別のルートで帰宅を開始する。
何となくの感覚で家の方に向けて歩く、途中で横を向くの目に入ったのは公園。
高校1年生男子が高校2年生女子とキスしようとしていた、が、男子の方の視界に私が入ったのだろう。
ピンク色の空気は散り、気まずい表情の女子とこちらを睨んだ男子が早足で横をすり抜けて行った。
カップル成立おめでとう名もなき男子クン、4日前の返事を言う前にフラれちゃった。
そうして少し迷いながら家に着く。
23時を過ぎたが今日はまだリビングに明かりがついていた。
どうせなら、今日の散歩の感想を母さんに話しててみよう、きっと笑って、頷いて、聞いてくれる。
そう思うと早く家に入ろうと思った。
今日の風はとても冷たく、顔はとても熱く感じた、でも私は最後まで顔を前に向けて歩いた。
お読みいただきありがとうございます
不定期な投稿のため時間がかかりますが、続きを読んでいただけたら幸いです