1/1
bmg
そのときの空はただ暗く、しかし厚い雲は街の明かりに照らされていた。
それでもなお空が暗く思えたのは、あたりは街灯一つ付いていない暗闇だからかもしれない。
すこし行けば街だというのにこのあたりは活気がなく、静かな夜はそんなに珍しくはないのだが。
いつも点いている街灯が無いだけで、こんなにも重苦しい闇になるなんて。電灯という比較的古い文明の利器への感謝を、こんな時にすることになるとは。
倒れている街灯は、塀ごと近くの一軒家にめり込んでいた。この通りをいつも照らす街灯は、見える範囲のそれらは、すべて倒れていた。